「負けるだと?」
不意に大声を耳にしたバタフライは少し驚きスタートに遅れた。当然ウルフはトップスピードで前に出て大きな差が生まれた。
「あの野郎!!」
バタフライはウルフの背中を見ながら昔を思いだしていた。まだ頭角を現していない頃、野次馬としてウルフを見ていた時、そして前回ウエスト地区トップ...
もう一度…
「負けるだと?」
不意に大声を耳にしたバタフライは少し驚きスタートに遅れた。当然ウルフはトップスピードで前に出て大きな差が生まれた。
「あの野郎!!」
バタフライはウルフの背中を見ながら昔を思いだしていた。まだ頭角を現していない頃、野次馬としてウルフを見ていた時、そして前回ウエスト地区トップ...
「結局、教えてもらったウルフの携帯番号も使われていなかったか…」
「やっぱり諦めるしかないな、ハヤトにはそう言って説得しよう。それに気味も悪いしな」
ユウジとシンは二人でウルフの情報を探り、追っていた。が、まったく手がかりを掴むことはできなかった。
そして、バタフライが今まさに...
「ミカミ、準備はできた」
初めて走る第31高速道路跡を完璧に走りこなしたバタフライは、スタートボタンの隣にあるリセットボタンを押す。すると一瞬ボックス内が暗くなり、またすぐに映像が映し出された。
「バタフライ、もういいんだな。ではウルフとのレースを準備する、いいな?」
「ああ」
またボ...
ミカミはバタフライの決心を待たずゲーム機の電源を入れた。ボックス内がだんだんと明るくなってきた。それに呼応するようにバタフライはボックスの中に入る。自分の乗っているEMと同じものの全体が見えてきた。
バタフライは軽く眺めた後、またいでみた。
「どうだい、ちゃんと君仕様に改造したんだ、乗り心地は...
二人は病室を出る。その間際、バタフライはもう一度ウルフを見た。人形のように動かないウルフ。自分は何と戦うのだろう?そんな不思議な思いを噛みしめウルフから目を離し、病室を後にした。
ずっと暗いままだった病室にウルフが1人取り残されていたが、まもなく看護師の巡回が来た。
「あら?電気点けて無いじ...