トップとしての悲しみは凡人には理解できない。
 バタフライもその理解できない1人だった。今までは所詮その程度のトップだったんだ。だが、彼はウルフを越えた。
 彼は一握りしかいないトップの仲間入りをしたんだ。
 ずっと最高速で飛ばすバタフライ。シンの心配はどんどんと膨らんでいた。
 「オイ、ハヤト...
もう一度…
 トップとしての悲しみは凡人には理解できない。
 バタフライもその理解できない1人だった。今までは所詮その程度のトップだったんだ。だが、彼はウルフを越えた。
 彼は一握りしかいないトップの仲間入りをしたんだ。
 ずっと最高速で飛ばすバタフライ。シンの心配はどんどんと膨らんでいた。
 「オイ、ハヤト...
 「君たちが知っている通り、ウルフは連戦連勝、向かうところ敵無しの男だった。彼の速さは尋常ではなかった。全てに勝ってしまうことは一見すると喜ばしいことだと思うよな…君はどうだい?トップになってみたいかい?」
 「俺は…」
 正直、言葉に詰まる。ミカミはそれを理解した。
 ...
 工場の廃墟に残された二人。少しの間、睨みあっていた。
 「あんたの名は?」
 ミカミはその問いにはなかなか答えない。ユウジは一歩だけ前に出た。それを見てやっと答える。
 「俺はウルフの友人でミカミだ。君は」
 「俺はユウジ…やっぱりあんたが一枚噛んでいたのか。この前は見事にすかされた...
 「ハヤト、ウルフに勝ったって…どこでやったんだ?ウルフはどこにいるんだ?」
 何がどうなっているのか全く把握できないユウジとシン。そんな二人にウルフとのレースに勝ったバタフライは饒舌だった。
 「あれだよ、あれ。このゲーム機でだよ」
 そう指さす方向に今しがたバタフライが出てきたボッ...
 ゲームが終了しボックスのハッチが開く。中から高い笑い声が聞こえてきた。半狂乱とも思える高笑いでバタフライは勝利の美酒に酔っていた。
 「はっははっははっはっははははっは。どうだ、俺が最強だぁ!!!」
 バタフライがボックスから出てくる。ここへ来た当初とは、全く違う異様なテンションだ。そんな最強の男...