「あの3人の精神が崩壊した原因がウルフの呪いだとは思えないが、君の言った通り俺の怒りと言うのはあったかもしれないな」
ミカミはこれまでのような険しい顔を崩し、素直な顔で話す。
「だが、俺の怒りがあったとしても彼ら3人の精神を崩壊させることなどできる訳がない。それに俺は彼ら3人とバタフライが...
もう一度…
「あの3人の精神が崩壊した原因がウルフの呪いだとは思えないが、君の言った通り俺の怒りと言うのはあったかもしれないな」
ミカミはこれまでのような険しい顔を崩し、素直な顔で話す。
「だが、俺の怒りがあったとしても彼ら3人の精神を崩壊させることなどできる訳がない。それに俺は彼ら3人とバタフライが...
今回の光もシンにはまったく見えていない様子、追い抜かれた感覚もないようだ。シンのずっと前を走っていたバタフライは、再びその光の気配を感じた。そして考える。
『さっきと同じ気配?』
さっきと同じEMでないはずだ。逆送するか高速を降りてまた戻ってこなければ、後ろから来るなどあり得ない。それにこの短...
バタフライは追い抜いた光との差を徐々に詰める、そして暗闇からその実体がぼんやりと形付いきた。見覚えのある車体、そしてその色…
ゴールド。
誰1人として同じ色がないはずのゴールド。それが暗闇から形成されるようにバタフライの目の前に現れた。そして、かつて見た生気のあるウルフが乗っ...
鋭かったミカミの目がその質問を聞いた後、さらに鋭さが増した。
ユウジは気づいていた、ウルフの話をするたびに自分やその他の走り屋のことに対し激しい敵意を示していたことを。それをミカミは目で表していた。
本当は『仁王たち3人』この質問を真っ先に聞きたかった、なぜなら、ここへ来た時からユウジはミカミ...
ミカミは待った、ユウジの意識が集中するまで。しばらくすると宙を彷徨うように左右に振っていた目がミカミを方へ向かう。
それを確認したミカミは、また話し始める。
「退屈は意欲を無くす。でも、ウルフは走っていたかったんだ、誰かと競いたかったんだ。だがある日のこと、ウルフは誰も今の自分と対等に走るやつ...