Nicotto Town


まぷこのぶろぐ・・・か?


ぶろぐ、の、ようなもの。




「契約の龍」(98)

 正面から見る王宮は、通用門から見るよりも、はるかに壮麗だった。殊に、今は、冬至祭のための飾り付けで、細かい装飾があちこちに見られて、昼の光の下では、可憐な趣もある。
 「…で、なんで今日は正面からなんだ?」
 「そりゃ、正式な招待客だもの。通用口から入る訳には」
 「…...

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「契約の龍」(97)

 冬至祭の前日。めっきり人が少なくなった学院の前に、あまり目にしない儀礼用の車が停まった。
 「…何であんなのを寄越すんだ?目立ちすぎないか?いくら早朝とはいえ…」
 学長の家の窓からそれを目にしたクリスが、うんざりしたような口調で言う。
 「でも、車を牽いているのは普通...

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「契約の龍」(96)

 夕食の間に雨が降り出したらしい。雨具の用意がないのと、足元が危ないのとで、寮には戻らず、こちら――学長の家の方――に泊まる事になった。試着が一日では終わらなかったので、次の日も結局ここに来る事になってはいたのだが。
 「……クリス」
 用意された部屋に入ろうとするクリス...

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「契約の龍」(95)

 「…それでね、くるっとまわるとね、スカートがふわって広がってね、…すっごくきれいなの!」
 夕食時、セシリアがやや興奮気味に試着時の様子を学長に語って聞かせる。学長は今日一日、所用で外出していたので。
 「ふうん。…それは本番が楽しみだね。君の母上は、そう...

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「契約の龍」(94)

 冬至祭は、冬至の日を挟んで前後一週間ずつの十五日に渡る行事だ。…基本的には。
 だが、祭りの準備、というものには、常に浮足立ったものが付いて回り、気が早い者は、夏至の日が過ぎたら、それほどでもなくてもひと月ほど前になると、冬至祭の準備に取り掛かるのが常だ。
 年が明ければ試験が待ち構...

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