Nicotto Town


どんぐりやボタンとか


おれはよく浜辺や森の中、あるいは道端などで、落ちてるものを拾う。例えば、どんぐり、ボタン、貝殻、石、ちびた鉛筆、鳥の羽根、何かの部品、錆びた釘、などなど、ちょっと自分のセンサーに引っかかるものなら何でも。そして、それをコレクトして、部屋の棚の中にしまってある。

そんなふうに集まった自分の棚の中にある記憶や思い出、もしくは、新しい体験や、これからしたいことなんかをみなさんにシェアするブログです。

小人と黄色い一日 (9)

今日は黄色い一日だね。

ミルは開け放った窓の外をながめておれに言った。
家の前の湖のほとりに咲く花と木々と、があがあ言いながら歩いていくあひるの家族もみんな太陽の光に照らされて、たしかにあたり一面が黄色く華やいでいた。

結局のところ、彼女がどこから来て、そしてどこへ行くのかなんてことは本人にもわ...

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小人とイタリアンジェラート (8)


薄暗い牢屋の中でおれたちはひそひそと話していた。
ミルはおれの襟元に隠れて、看守に見つからないようにしながら。
運良く牢屋はローレンスとおれの2人部屋だった。


残念ながら、ローレンスの家で5日間過ごした後の帰り道、本当にオルセー美術館に忍び込み、警備員に見つかって今度はおれたちに気づかれないよ...

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小人と朝ごはん (7)

音楽にゆられながら、心地よく目が覚めた。
1階の台所でローレンスが軽いジャズをレコードでかけながら、朝食の準備をしているみたいだ。
たまに、きゃあきゃあなどというやかましい声が聞こえるのはミルがもう起きて一緒に料理を作っているみたいだ。
手伝っているというより、遊んでいるようにしか聞こえないけれど。...

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小人と素晴らしい夜 (6)

森の中、ふくよかな木々の香りの真ん中にローレンス.ブコワスキーの家はあった。
頑丈にしっかりと作られた確かな年期を持つ、つやつやと美しいログハウスだった。
ドアをふたつノックすると、彼はドアを開けて笑顔で迎えてくれた。

ローレンス.ブコワスキーはやせて長身の老人だった。
彼の目は緑色でやわらかく深...

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小人の名前 (5)

出会った時、彼女は自分の名前を覚えていないと言った。もしかしたら、ぼくに名前なんて無いかも知れないよ。と、さみしそうに言っていた。
しばらくは、ねえ、とか、君、なんてふうに呼んでいたけれど、彼女は自分の名前をほしがった。
おれに付けてほしいと言うので、二人で考えてみよう。と提案した。
彼女がいい。と...

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