Nicotto Town



ばーちゃん拾った(後編)

婆ちゃんは、僕の不安そうな顔を見て、「昨日は家に帰ろうか、しばらく帰らないでいようかと考えて、そのまま公園にいてしまったの。今夜はホテルに泊まるわ。」と言った。

僕が黙っていると、「お風呂のお礼に、ご飯を作らせてね。冷蔵庫を見せてもらっていいかしら。」と婆ちゃんは、冷蔵庫の扉を開けた。

婆ちゃん...

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ばーちゃん拾った(前編)

善福寺川は杉並区を流れ神田川に流れ込む小さな川。川沿いに緑地が整備され、川面にはカモやサギがいて、木立にはオオタカも巣作りをしている。いつものように、川沿いの散策路をジョギングしていた。

川沿いのベンチに、お婆ちゃんが座っていた。お婆ちゃんの隣にはスーツケースとボストンバックが置かれていた。切り株...

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神保町(完結)

泰樹はナツと別れて、神保町に取材にでかけた。ナツはスイーツの取材を手伝うために来たはずだが、肝心のスイーツの取材の時に、酔いつぶれて、喫茶店伯剌西爾で待つことになった。

泰樹は、トリップアドバイザーの2019全国1位を獲得した「神保町サクラカフェ」に向かった。ホテルに併設されたカフェで24時間営業...

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神保町(後編)

テーブルに焼き餃子と水餃子が運ばれてきた。焼き餃子は、両端の縁が開いていて、焼いていると、そこから野菜の美味さを含んだひき肉の油が鉄板に流れ出す。その油が餃子の皮の焦げた部分に吸収されて、皮がとても美味しい。

ナツは、そのまま焼き餃子をほおばると、「美味しい、泰樹さん、ビール頼んでいいですか。今日...

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神保町(中編)

ナツは、お茶の水の駅の改札を出たところで泰樹を待っていた。待ち合わせの時間まで10分ある。締切を督促するのが仕事であり、自ら遅刻することはできないと、早めに行動することが身についていた。

仕事をしていたり、家でのんびりしていると10分は直ぐに経つのに、人を待つ10分はとても長く感じて、改札から人が...

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