金狼の重圧 『エデン編』第2部…5
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/06/11 21:42:19
オアシスシティの刈谷パーキングエリア、初対面の2人は声を失っていた。
1人は端末の画像を食い入るように見て衝撃を受け、もう1人はその衝撃が収まるのを待っていた。
画像に小さく映っていたのはまぎれもなくウルフである。髪はいつも通りの金髪。
ユウジはこれがごく最近写されたものだと知り、嬉しさがこみ上げて...
もう一度…
オアシスシティの刈谷パーキングエリア、初対面の2人は声を失っていた。
1人は端末の画像を食い入るように見て衝撃を受け、もう1人はその衝撃が収まるのを待っていた。
画像に小さく映っていたのはまぎれもなくウルフである。髪はいつも通りの金髪。
ユウジはこれがごく最近写されたものだと知り、嬉しさがこみ上げて...
「少し冷えてきたな…もうそろそろ戻るか?」
「…………ああ」
季節は秋に差し掛かる。山頂付近は日が暮れかかるといっきに冷え、ライダースーツを着ていても身ぶるいを禁じえない。EMにのっていればなおさらだ。
ユウジとエデンが出会っ...
「エデン、君はこの金色のEMを使ってウルフをおびき寄せようとしていたってことなのか?」
「そうです」
この機種はヤツビシのRP-300改、ウルフと同じ機種。それをわざわざ特殊コーティングの金色にしていた。
「良くできているな、このEM」
「もちろん、ウルフが使っていた物と同じものにしましたから&he...
今までゆっくりとした速度で落ちていた太陽が、急激に速度を上げ黄金色の世界を閉ざしていく。まるで二人の気持ちと呼応するように。
「……バカな、そんなバカな…」
ユウジは顔を上げることができなかった。
「かなりショックのようですね…僕がウルフじゃな...
「僕に何か用ですか?」
初めて聞く声にユウジはハッとする。声のする方向に顔を向けると見たことも無い男がこちらに近づいてくる。
「……」 不敵な笑みを見せる男、顔立ちは少年のようにも見える幼さを感じさせた。肩まである長髪をなびかせて歩いている。
明らかに...