Be:14 Otenba chan
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/03/31 16:58:44
僕とガントはどちらからともなく、灯りの下に移動した。
「シニアタウン、行かねえか?」
ガントが言った。
「僕あんま他の街知らないんだけど、どんな場所?」
「年配の人が集まってる街だ」
「なんでそんな場所?」
「安全だ」
「そこで、これが終わるまでかくまって貰うのか?」
「まさか。そうい...
ASOBI足りない
僕とガントはどちらからともなく、灯りの下に移動した。
「シニアタウン、行かねえか?」
ガントが言った。
「僕あんま他の街知らないんだけど、どんな場所?」
「年配の人が集まってる街だ」
「なんでそんな場所?」
「安全だ」
「そこで、これが終わるまでかくまって貰うのか?」
「まさか。そうい...
「ここから移動するか。撃ってきたのが何者か知らねえけど、
この期間中でも禁止の銃を使って来るなんて相当ヤバいぜ」
走りながらガントが言った。
「だな…」
相手を確認するべきだったのかも知れないが、今更悔いても仕方がない。
これからどうするかが大切だ。
「これからどうするよ」
ガント...
「大丈夫ですか!?開けてください!」
僕が閉めたドアをガンガン叩く。ホテルの従業員が来たようだ。
「問題ないです」
「でも爆発があったと連絡がありました!」
彼がいらつきながらドアの方を睨む。ばれると面倒なので、手で制してなだめる。
従業員との会話を続ける。
「爆発?悪い夢でも見たんでしょ」
...
しばらく考えていたが、いい案は思いつかない。それどころか、思考はどんどんネガティブになっていく。
愛香はもう寝入ったようで、その微かな息遣いが聴いてとれる。
自分のベッドまで一度戻ると、ベッドの横にあった鞘を失った剥き出しの剣を手に取った。
こういうのって、なにで手入れするんだろ…...
気がついたのは真夜中だった。
僕はベッドで寝ていたようだ。布団を剥がしながら、隣を見る。
ランプを挟んだ向こうで愛香がもう1つのベッドで寝ていた。
「起きてる?」
「…」
返事はなかったが、怯えていたせいか、揺れたその肩で起きているのが分かった。
 ...
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