Nicotto Town



初夢の続きは (12)

いつからだろう?

思えば、いつも何かを追いかけていた。

青空をふたつに分ける飛行機雲

アスファルトの上をどこまでも逃げる不思議な水

そして、いつも一歩先を歩いていたアイツの背中

その背中を、見失ったのはいつ?

どう記憶を辿っても、あやふやなままだった。

しかしゆっくりと、記憶の上に堆積...

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初夢の続きは (11) 『邂逅』

「止めなって!」

パンを抱え戻ってきた友人が、2人の間に割って入ろうとする。 少し遅れて悟も、やってきた。

「2人とも、何してるんだよ!」

悟の声を聞くと、優はそちらに頭を向けた。

そして悟に一礼すると走り去って行ってしまった。 「なにがあったんだよ」

残された梅子に、詰問する。

「知ら...

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初夢の続きは (10) 『衝突』

季節は冬に向かっているというのに、穏やかな暖かい日だった。 その為昼休み、中庭でお弁当をとる生徒の数も少なくなかった。 優は、中庭へ向かうドアに手を掛けたまま、大きく深呼吸した。 「よし!」 中庭へのドアを開けると、少し強い風が吹き込んで来て優の髪を揺らした。 その風をまともに受け、覚悟は少し揺らぎ...

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初夢の続きは (9) 『端緒』

曇りがちで、雨まで降った昨日までとは一転。 

今日の空は雲ひとつなく、どこまでも青く、高かった。

悟は、季節を感じながら一人通学路を歩いていた。

彼を包む空気は、暖かな日差しと涼しい風とが混ざった、爽やかなモノだった。

歩道の片側に植えられている名前もしらない街路樹、それに沿っていつものよう...

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初夢の続きは (8) 『秘密』

ゆっくりと開いた目からは、涙が流れていた。

何だかとても怖い夢を見ていた気がする。

抽象的で断片的な記憶しか残ってはいなかったが、

それは心や体を引き裂かれそうな、そんな怖さだった。

どれくらいそのままでいただろうか?

初めて見えて来たのは、闇の向こうの見知らぬ天井だった。



(あ、あ...

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