Story / 8
推理小説とホラー小説、どちらにしようか悩んで結局どちらも買わなかった。付いてきた乾は、珍しくライトノベルじゃなくて文庫本を買っていたけど僕の知ったことじゃなかった。付き合わせた僕が付き合ったみたいになってるのはいつものことで。
何も言わず、先に行った僕の背中を追って、乾は...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
Story / 8
推理小説とホラー小説、どちらにしようか悩んで結局どちらも買わなかった。付いてきた乾は、珍しくライトノベルじゃなくて文庫本を買っていたけど僕の知ったことじゃなかった。付き合わせた僕が付き合ったみたいになってるのはいつものことで。
何も言わず、先に行った僕の背中を追って、乾は...
Story - 1 /7
自分の無力さを知っていたわけじゃない。全てをわかった気になんてなれるはずもなくて、結局中学生みたいな自分の居場所を求めたがる思考を完全には卒業できてないんだって思い知らされる。此処にいて良いんだと言って欲しい。自分は必要だと言って欲しい。一緒に居て楽しいと言って欲...
Story - 1 / 6
朝のHR(ホームルーム)のチャイムが鳴ってから10分後。重苦しいような、どこか浮き足立ったような、気持ち悪い空気とざわめきが充満した教室に、担任が駆けつけてきて少し乱暴にドアを開いた。
そこからは、ありきたりであってそうでない、ありきたりな光景が繰り広げられた。――...
Story - 1 / 5
再び、沈黙。まず私は、自分の耳を疑うことにした。これは間違いではないと、警鐘を鳴らすように告げる心の中のもう一人。しかし私は無意識に、
「……面白い冗談だね、ワトソン君。しかし笑えない」
出したばかりの本を、教科書でぎゅうぎゅうに...
Story - 1 / 4
――沈黙。
思わず由貴から逸らして、しばらく彼方此方をうろついた視線は鞄から本を取り出す自らの手を追った。まだ読んでもいない後ろのほうのページを意味も無く開いて閉じる。
「……由貴くん、母さん嘘は良くないと思うんだ」
苦心したあげく...