Story - 2 / 2
―― 一歩踏み出す勇気。
深夜の学校は誰も居なくて、夢遊病のように私はいつのまにか屋上に居た。
夕方、由貴と別れて家に帰った記憶は無い。ただ、その時から靄の中を歩いているみたいにぼんやりして、もういいや、って思った。
あんな騒ぎがあったのに鍵をかけていなかっ...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
Story - 2 / 2
―― 一歩踏み出す勇気。
深夜の学校は誰も居なくて、夢遊病のように私はいつのまにか屋上に居た。
夕方、由貴と別れて家に帰った記憶は無い。ただ、その時から靄の中を歩いているみたいにぼんやりして、もういいや、って思った。
あんな騒ぎがあったのに鍵をかけていなかっ...
Story - 2 / 1
12月中旬、徐々にクリスマス色に染まっていく街は今はまだひっそりしていた。言えるのは――とにかく寒い。それだけ。平日な上に、こんな日に外出しようって言う方が可笑しいんだ。僕は家の鍵を閉め、コートのポケットから自転車の鍵を取り出した。鍵がいくつもあるって面倒だな...
Story / 11
「え?」
その言葉を信じるか信じまいか、僕は真剣に悩んだ。理解できない。何を言われているのかわからない。そもそもこれは現実なのか夢なのか区別できないしたくない。
どうしていいかわからない。
「……そう、ですか」
上の空で受話器の...
Story / 10
思わず隣の由貴を見た。さもありなんとでも言うように、由貴は平然と告げ微動だにしない。私は戸惑ったまま、でも何も言えなくて顔を逸らす。胸の辺りがもやもやして、やりきれないような痛いような、変な感じ。大体、急にそんなこと言われても良くわからない。可愛いってなんだよ馬鹿。...
Story / 9
乾の涙を見て解ったことがある。――乾も、普通の女の子だ。
じゃあ、僕は?
「……」「…………、」
3人掛けの椅子をそれぞれの荷物で埋めて二人で占領した。荷物を両脇に置いて隣同士で座って...