Nicotto Town


ごま塩ニシン


おすがり地蔵尊秘話(30)

「住職は大変喜んでおられました。地蔵さんが現れ、マスコミにも注目されているので、何とか、お地蔵さんを地域おこしに役立てていきたい。これも木原さんというご縁がもたらしてくれたものだと言っておられました。」「僕は、何もしていないよ。礼をいうなら集中豪雨だよ。一度に、どひゃっと降ってこなければ、土砂崩れが...

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おすがり地蔵尊秘話(29)

 硝子戸に人の影が映ったので、私は必死の覚悟で思い切って硝子戸を開けた。 庭に蹲るように人が座っていた。「まさか、お地蔵さんではないよね。それとも、あんた、泥棒かよ。ここには金目のものは何もないから。」 私は庭に向けて仁王立ちになった。「いやー。申し訳ない。起こしてしまいましたか。重ねて、もうしわけ...

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おすがり地蔵尊秘話(28)

 昨夜は飲み過ぎた。夜中にトイレに行くこともなかったが、念仏を唱える声で私は目覚めた。一瞬、お寺の本堂で寝ているような錯覚を覚えたくらいだ。
「おん かかかび さんまえい そわか。・・・おん あびらうんけん ばざら だとばん。」
 真言を唱える声が耳元から顔全体を覆ってくるようであった。何だろうとい...

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おすがり地蔵尊秘話(27)

 これが民衆の力なのだろう。法会が始まる前には地蔵尊の周囲は色とりどりの花で飾られ、用意されたお供え物の大きな台に饅頭やらスナップ菓子、よもぎ餅、チョコレート、それにお餅などが山盛りに供えられ、お酒の一升瓶が三本も並べられていたのには驚くばかりであった。それだけではない。地蔵像の発見ということで注目...

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おすがり地蔵尊秘話(26)

 土中から地蔵像が掘り出されたというニュースは、あっという間、地域に広がった。私の家主である峰平かよ子は玄峰寺の住職、宝田貴信を伴い、駆けつけてきた。 土建屋の平岡賢作と息子の健吉は地蔵像を整地された庭の中心に据え、バケツに汲んできた水で泥を洗い流し、丁寧にも布でお身拭いまでした。私は彼等の作業を黙...

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