バタフライは真っ白になった思考をフル回転させ、考える。
 病院送りになったことを知らないだと?そんな訳な…………バタフライは思い出していた、前回のウルフとの対戦のことを。自分が転倒し負けて入院していた時のこと、こんな揶揄を耳にした。
 『ウル...
もう一度…
 バタフライは真っ白になった思考をフル回転させ、考える。
 病院送りになったことを知らないだと?そんな訳な…………バタフライは思い出していた、前回のウルフとの対戦のことを。自分が転倒し負けて入院していた時のこと、こんな揶揄を耳にした。
 『ウル...
「目の前に?」
 ミカミはベッドの方を指さす。
 暗い個室にやっと目が慣れてきた。目を凝らすと、ベッドの上の男には確かに以前見たウルフの面影があった。この生気の無い抜け殻のような男があのウルフだと言うのか?
 全身を使って躍動的に走り、全ての相手を寄せ付けず、EM乗りならば誰もが目標とし憧れていたウ...
 悪夢から覚めたバタフライは、すぐさまミッド地区へと向かった。時はもう夕暮れから夜へと…
 ウルフとの決戦が近づいたと悟ったのか、周りを全て吹き飛ばしてしまいそうなオーラを発し、ミッド地区へとたどり着いた。
 今の俺の気迫なら必ずウルフは気付いてくれる、そう願いながら。
 
 ...
 朝方の高速パーキングエリア、全く使われていない廃墟同然の根城。
 バタフライはそこで少し仮眠をとっていた。どこからか拾ってきた粗末なソファーに横になり、軽く寝るつもりだった。しかし連日の気疲れもしていたのだろう、ぐっすりと寝てしまい、かなりの時間が経っていた。
 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
...
 ユウジとシンはバタフライとは別にミッド地区へ来てウルフの情報を集めていた。
 そこへある建物から出てきたミカミが、二人の近くを通り過ぎようとした。不安な顔に支配されたユウジとシンの二人はミカミを呼び止めた。
 ミカミは見知らぬ二人に呼び止められ少し身構えた。
 見ると二人はEMに乗っている。ミカ...