「な……」
何でこんなこと、と言葉にしようとしたが俺の口は言葉を発せず、呼吸すら出来ない痛みに体が硬直する。 今まで生きてきて味わったことのない胸部に広がる熱い衝撃に、頭の中に浮かぶ感情は「嘘だろ?」だった。
「ごめんね、シン」
コイツは何を言っているんだ? 理解で...
垂れ流されるなんとか
「な……」
何でこんなこと、と言葉にしようとしたが俺の口は言葉を発せず、呼吸すら出来ない痛みに体が硬直する。 今まで生きてきて味わったことのない胸部に広がる熱い衝撃に、頭の中に浮かぶ感情は「嘘だろ?」だった。
「ごめんね、シン」
コイツは何を言っているんだ? 理解で...
ぴちゃ。
まどろみの中に外的な刺激か加わり僕の意識は睡眠から覚醒へと切り替わる。
ぴちゃ。
目を開くと寝起きのピントの合わない景色が数秒の調整を経て鮮明な像を結んでいく。
「げっ……」
その視界に映ったのは、シシルの寝顔だった、半開きの口から涎を垂らしているシ...
一通りの装置の全貌を読み解いた僕はソファーに身を預け天井を仰ぐ。 疲れがどっと押し寄せるけど、やはりそれ以上に満足感と興奮に酔っている自分がいた。 やがて階段を駆け上がる聞きなれた足音にシシルが来たんだと書斎の入り口に視線を向ける。
「ラス! 部屋にも居なかったしまさかと思ったけど、もしかして一...
最愛なる息子ライアスへ まず初めに謝っておく、すまない 多分だけど僕達夫婦がいなくなってからすぐにここの手紙を読んでいると思う これは長年夫婦で話し合って決めたことで、ライアスももうすぐ魔導技師として独り立ちできる頃合かと判断し、実行することにした ライアスに黙っていたのは、やはり反対されるかも...
僕の家は学校と魔導研究所のちょうど中間くらいにある。 街中といえば街中だけど高級な住宅街から見れば離れていて、庶民的な簡素な家が立ち並ぶ一角に家を構えている。 木造二階建てでそっくりな家が二軒並んでいる、道路からみて右が僕の家で、左がシシルの家だ。
父さんと母さんが結婚する時に、父さんの親友で...
|