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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(45)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第十(1)

      第十

「十九世紀末の文藝は、實に目もあやなる雜多の潮流の會湊なりき。前にいへるラスキン。ゾラ等の自然主義、ニイチェ。イブセン等の道徳問題、ワッツ。トルストイ等の教義的宗教の外、多感派の脈を引ける新ローマンチシズム、神秘派と見るべきベ...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(44)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第九(5)

さはあれど、是等のもの多くは一に會して感情の本に歸るといへども、或るものは外れて再び舊の知識に行かんとするを免れず。已に自然といふ語生る、之を推し廣むる時は、所謂自然主義となるも已みがたき状勢ならずや。已に理想といひ、宗教といふ語用ひらる、其結論...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(43)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第九(4)

斯くの如き十八世紀に反抗して起こりしものを、十九世紀初頭の歐洲文藝とす。或は呼んで之れをローマンチシズムといふ。我れは意義の直截明確ならむことを欲して、之れを感情的、若しくは情緒的といはん。蓋し天地の間知識にあらざる存在は情緒にして、情緒にあらざ...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(42)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第九(3)

此の期に屬する文藝の理想は、ブワローが詩論に明けし。摸範は希臘、羅典にありとおぼしく、其の項目は、曰はく理を輕んずべからず、曰はく思想形式共に明瞭なるべし、曰はく外形の統一均整は必要なり、曰はく尋常なるべくして奇怪なるべからず、曰はく諷刺は眞理な...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(41)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第九(2)

十七八世紀は佛蘭西及び英國の天下たり。彼の一列は佛のコー子イユ以下ヴォルテヤ等を前隊として、英のドライデン。ポープ等を後詰とせる人衆と覺ゆ。何れも身だしなみ上品に、整然また瀟洒としては居ながら氣力光彩に乏しと見ゆるは、十九世紀の反動の羽風に、あさ...

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