夜更け、机の上の小さな灯りだけが部屋を照らしていた。
ページの片隅に「名もない花になりたかった」とあって、私は指を止めた。
名もない花なんて、本当にあるのだろうか。
ずっと昔から、誰かが草の背丈を測り、葉の形を数え、花弁の色を確かめ、ひとつずつ名前を与えてきたはずだ。
名前のない花があるとし...
夜更け、机の上の小さな灯りだけが部屋を照らしていた。
ページの片隅に「名もない花になりたかった」とあって、私は指を止めた。
名もない花なんて、本当にあるのだろうか。
ずっと昔から、誰かが草の背丈を測り、葉の形を数え、花弁の色を確かめ、ひとつずつ名前を与えてきたはずだ。
名前のない花があるとし...
辞書の背表紙を指でなぞるたび、どの言葉も薄く見えた
「世界で一番心を震わせる言葉」なんて、見出しにはない
春でも、星でも、愛でもない
そう気づいた瞬間、部屋の静けさが変わった
ふと、携帯の画面にあなたの名前が浮かぶ
考えるより先に息が詰まり、次の瞬間に笑ってしまった
たったひと言、あ...
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