塀の上から、大通りを眺めていた野良猫は
あまりにたくさんの人々が
自分に目もくれず行き交い、通り過ぎていくので
この世に確かに自分が存在しているってことを
忘れてしまいそうになる
街の騒音から逃げるように、心を空の向こう側に奪われて
それでも首を振って我を取り戻す
そしてまた人ごみを避...
塀の上から、大通りを眺めていた野良猫は
あまりにたくさんの人々が
自分に目もくれず行き交い、通り過ぎていくので
この世に確かに自分が存在しているってことを
忘れてしまいそうになる
街の騒音から逃げるように、心を空の向こう側に奪われて
それでも首を振って我を取り戻す
そしてまた人ごみを避...
今見上げている夜空も
昨日見た夜空も
1万年前の夜空も
同じものではない
悠久の時を経て星々は今の配置に落ち着いたのだ
太古の生物は今とは異なる配置の夜空を見上げていたのだろう
そんな生き物たちは知っていたのだろうか?
同じことは二度は起こらないことを
起きるのは似たような事象であり...
釵頭鳳からの続きです。
沈園(一) 陸游 城上斜陽畫角哀
沈園非復舊池臺
傷心橋下春波緑
曾是驚鴻照影來
城壁は斜陽を浴び、角笛の音が悲しく聞こえる
沈園はもう昔の池や楼閣に戻ることはない
橋の下の春の水が緑の波をゆらめかせて私の心...
釵頭鳳 陸遊
紅酥手
黄縢酒
滿城春色宮牆柳
東風惡
歡情薄
一懷愁緒
幾年離索
錯錯錯 春如舊
人空痩
涙痕紅鮫透
桃花落
閑池閣
山盟雖在 ...
ひとつめの悲しみは哀別
ふたり共に過ごした時間ごと引き裂かれるような
体ごと引き裂かれるような
そんなそんな悲しい別れ
透明な雫がひとつ頬を伝う
ふたつめの悲しみは認識
ふたりはもう他人なのだと気付かされたこと
確かに別れは存在したのだと気付かされたこと
そんなそんな悲しい確認
透...
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