花を手向ける
ふた束の白い菊の花を
貴方へと
今
想いの香りが
過去へと流れていく
白い花びらは
遠い月日を哀しく吸い上げ
更に更に
白く白く染まっていく
涙が静寂の中に
そっと流れ落ち
そのかすかな音を
吹く風が拾っていく
ああ
潮の香りがする
空はあまりに広く
青く強く染まってい...
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セカンド
今日も空白を埋めていく
一つ一つ
過去へと続く広大な原野を
私は進む
空白は白
それが何色に埋まるのだろう
ある場所は白いままに
あるポイントは黒く
ある場所は赤く
あるポイントは青く
過去の想いのパレットから
色が滴る
そんな
色の粒の中
あなたは突然現れ
突然に消えた
それは静か...
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風を追いかけて
春の中を駆け抜ける
影が追いかけてくる
どこまでも速く
影も風を切って
春を駆けているのだろうか
春の風を追いかけて
止まることなく二人は走る
瞬間止まった青空の下を
景色が後ろへと全力で流れていく
私が手を振ると
いつの間にか前を走る影が手を上げた
春の風が吹く中
...
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桜の木の下でおじいさんが
マグに入れたお茶を飲みながら言いました
サンタクロースさんはいいな
トナカイさんの引っ張るそりがあるからね
ものすごく速いし
思った所へ瞬間に移動もできるんじゃ
わしも一度見せてもらったが
色んなボタンだらけで操縦はできそうもない
そう言いながら、マグを背負ったリュ...
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それは
春の夜に降る今日の雨
立て掛けた
白黒の明白な写真の上に
くっきりとした明るいカーキ色のペイントが
流れ落ちている感じ
雨をブルーって言った人は
誰
心のブルーを
雨に投影するのは止めて
春の雨は
そんな色じゃない
それは
きっと淡い緑や薄い土の色だ
春はそんな香りがする
その...
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