男のくせに色白と美貌。
世間はそれを、贅沢な生まれつきと呼ぶ。
けれど私にとっては、皮膚の一枚下で、
じっと私を睨みつけている、冷酷な鬼の顔にすぎない。男らしく、泥にまみれて生きることもできず、
ただ青白い、透き通るような手を見つめている。
この指は、重い鉄槌を握るためではなく、
ただ自らの破滅を、...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
男のくせに色白と美貌。
世間はそれを、贅沢な生まれつきと呼ぶ。
けれど私にとっては、皮膚の一枚下で、
じっと私を睨みつけている、冷酷な鬼の顔にすぎない。男らしく、泥にまみれて生きることもできず、
ただ青白い、透き通るような手を見つめている。
この指は、重い鉄槌を握るためではなく、
ただ自らの破滅を、...
鏡をのぞけば、そこに居るのは
見知らぬ他人のような、恐ろしいまでの美(み)づら。
それは神の悪戯か、それとも母の胎内で受けた
ひとつの赦されぬ呪いであったか。誰もが私を振り返る。
街のカフェテラスで、吹き抜ける風のなかで、
その視線は私の肩にとまり、肌をなで、
やがて私の胸の奥にある、小さな暗い空洞...
I.昏い響きあんなにも優しく青空がひろがつてゐるのに
微風のなかに ただ遠くかすれて響いてくるのは
教会の あの一つのつめたい鐘の音(ね)
それはぼくの耳の奥を しづかに刺しつらぬき
死へのおそすぎる目覚めを 告げる弔鐘(ちようしよう)ぼくのからだのなかに 深くねむる黒い血は
見えない毒のように し...
I.翳(かげ)のなかであんなにも優しく青空がひろがつてゐるのに
風はなにごともなかつたかのように吹きすぎて
あかい千羽鶴のむれを ただ冷たくゆすぶる
ここはすべてのいのちが焼きつくされた場所
あの日から ぼくたちの時間はとまつたままぼくのからだのなかに 深くねむる黒い血は
見えない毒のように しづか...
さうしてスイカズラの白い花はかたみに寄り添ひ
甘い香りをひそませて風のゆくへを待つてゐた
私はおまへの影をふみわけてこの道にかへり來た
あざやかなバラの紅(べに)が夕闇のなかにほのめくわすれられたおもひではいつも空しいものだらうか
いや、ちひさな花びらのやうに私の胸のなかで顫(ふる)へてゐる
いつか...
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