秋の野づらは果てもなく
乾ける風の 吹きすさぶなかに
人目(ひとめ)離れて 寂しく立てる
古りし小舎(こや)あり 旅人の目を惹くその硝子戸(がらすど)は 塵に汚れ病みて
外(と)の白雲の ゆきかひをただ映し
あるじ無き部屋の 暗きしじまの裡(うち)に
遠き日の光の なごりをとどむるのみあはれ その窓...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
秋の野づらは果てもなく
乾ける風の 吹きすさぶなかに
人目(ひとめ)離れて 寂しく立てる
古りし小舎(こや)あり 旅人の目を惹くその硝子戸(がらすど)は 塵に汚れ病みて
外(と)の白雲の ゆきかひをただ映し
あるじ無き部屋の 暗きしじまの裡(うち)に
遠き日の光の なごりをとどむるのみあはれ その窓...
高原の秋は 乾いた風からはじまる
白樺の林を抜け 枯れはじめた草の葉を揺らし
風はどこへ行くともなく ただ吹き過ぎて
私の古い外套の 襟をそっと濡らしていく一本の道を 私はひとり歩いている
振り返れば 遠い山並みが青く翳(かげ)り
ちぎれた雲が 冷たい空の果てへと
私の知らない 明日の国へ急いでいる...
かすかな音楽が 梢からこぼれて
私の小さな部屋の窓を そっとたたく
それは冷たい 秋の日の雨だれ
銀の糸にむすばれた しずくのつぶやき失われた季節の おもいでをあつめて
ひとつぶ、ひとつぶ、ガラスを濡らす
きみはどこかで この同じ唄を
かすかなため息と きいているのだろうかそよ風のようには もう歌え...
青い夜の天(そら)の はるかな深みに
小さなともしびが ひとつまたたく
それは私の けして届かない
古い約束のような かすかな光風はそよぎ 記憶の草地をわたって
見知らぬ調べを 私の窓に運ぶ
きみとむかし 見上げたあの星は
いまも誰かの かなしみを照らすのだろうか夜のしじまに 銀の砂を撒くように
ま...
青く すきとおる十月の空から
ひとしずく こぼれて落ちたものは
あなたの だれにも見せなかった
いちばん きれいで さびしい涙ひそやかな 森のひかりのなかで
それは ちいさな露の粒となり
枯れかけた草の葉を 濡らしている
静かに 静かに ただうつむいてかなしみは 風がすべて連れてゆく
あの ちぎ雲の...
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