夢の欠片その2(血を受けし者)
- カテゴリ: 小説/詩
- 2017/09/28 13:52:20
●血を受けし者
仏壇には、祖父ちゃんと、よしの姿が燻る香に揺られて微笑んでいた。
祖父ちゃんに梨、よしにも梨だが、これは正しい組み合わせである。
どちらもそれが好物であることだけは、しっかり忘れずにいるばあちゃん。
他の事は、怪しくなってきたが、それはやむを得ない。
「よし、あの頃は楽しかったねえ...
自分の思った事、感じたままを人に伝える事って実は難しい。「なにそんなんで感動するわけ?」って事が往々にして起こりうるからだ。
●血を受けし者
仏壇には、祖父ちゃんと、よしの姿が燻る香に揺られて微笑んでいた。
祖父ちゃんに梨、よしにも梨だが、これは正しい組み合わせである。
どちらもそれが好物であることだけは、しっかり忘れずにいるばあちゃん。
他の事は、怪しくなってきたが、それはやむを得ない。
「よし、あの頃は楽しかったねえ...
この発想に胸が躍り、目が天空をさまよった。
傍から見ると時季外れの、それ系お兄ちゃんに映るだろうな。
目から鱗である、最近の目から落ちると、
しゃがみ込んで探す羽目になる、それとは違う。人はなぜ夢から覚めると、途端に忘れてしまうのだろうか?
やっと分かった、欠片が珠となり、転げて行ってしまうからなの...
ニコットのブログにコメントが、マイブームとなった。
特に詩や小話が良いのだが、これには訳がある。
言葉が少ないと、書き手の思惑を推察する余地が生まれる。
わが師は、行間を読めと、更にはページの外を推察しろとおっしゃる。言葉は、そのもの以上に情報を持っている。
万葉の時代から、現代にいたるまで、磨き上...
とても大切なもの
とても大げさな話だが、なくなってしまった
奥にしまってあった物、とても大事だった
ポケットへも入れておいた物、とても愛おしかった
取り上げられたんだか、自分から投げたんだか・・・
無くなってしまったことには、変わりなかった
裸で放り出され、一人ぼっちになったとおんなじだっ...
安房里見家当主義豊は、叔父である実堯の不穏な動きを察知していた。「もしものときは、仇敵北条の手を借りてでも義豊派を打ち倒せ」実堯にしてみれば、それが実堯派国人領主連合の本意であり、里見家二大派閥の避けられない定めであった。
七月二七日の夜義豊は、実堯と通綱を稲村城に呼びつけて、誅殺したのであった。そ...