三日月が夕空に
白く浮かんでいる
一つの景色の中に
遠く離れたままに
それでも月はあなたの存在よりは近く
西の空低く無言で輝いている
今、夕暮れに二羽の夏鳥が
視野をゆっくりと横切って行く
私にさようならも言わずに
何処へ行こうとしているのか
全ては茜色の地平の底へと沈んで行く
あなたの幻...
三日月が夕空に
白く浮かんでいる
一つの景色の中に
遠く離れたままに
それでも月はあなたの存在よりは近く
西の空低く無言で輝いている
今、夕暮れに二羽の夏鳥が
視野をゆっくりと横切って行く
私にさようならも言わずに
何処へ行こうとしているのか
全ては茜色の地平の底へと沈んで行く
あなたの幻...
ミルク
ホットなやつを作ってやるよ
心が落ち着くって
誰かが言ってた
猫の名前じゃないよ
白いやつ
あっ
白いニャンコもいるか
ミルクはミルクだよ
さっきコンビニで買った牛乳
そんなにうなだれてたって始まらないよ
栄養付けて頑張らないと
あたしのハートだよ
暖かいんだから
たまにはいい...
空の中を歩く
青空の中を
過去と未来の間の
今の頂上を目指して
私の置いた雲の道標
気が付くとそこに無い
風が動かしてしまったから
迷走ですって
迷子なんかにはならないよ
もともと風は友達だから
そんな悪さをするわけがない
おわかりかな
そう下に行けば地上で
そう上に行けば天上さ
天空...
雪
夏に降る雪
雪
それは白く重く冷たい
私の心では
もう融かすことが出来ない
雪
夏に降る雪
しんしんと
降り積もる雪
あなたの心でも
もう融かすことが出来ない
あなたの黒く澄んだ瞳に映る
純白の雪
それはもう涙でも
融かすことは出来ない
二人の間に生まれた静けさは
同じ音を失って...
そんなに闇を引きずらなくても良いのに
そう言ってあなたは微笑む
鉄で出来た扉を開けるより
わたしの心は重く沈黙を守っている
高い窓からの少しの陽の灯りが
頬の涙の筋をかすかに照らす
そんなに闇を引きずらなくて良いのに
そう言ってあなたはカードを並べる
静かに呟く声と
冷たい微笑み
白い指先...