Nicotto Town



春風に吹かれて

長く続く舗道を歩く春の風が優しく吹いている
わたしの手のひらに舞い落ちてきた一枚の桜の花びら
そっと握りしめ寂しげに空いていたベンチに一人座る
桜の花が咲いている幾重にも花が重なりそれは続いている
くすんだ赤い円柱型の古いポストが淡いピンクの景色の中にポツンとある
目の前を通り過ぎる人たち独りで二人...

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ホワイトクリスマス

ねぇもう少し一緒に歩きませんか
クリスマスの雪の中を


このカードをあなたにあげる
小さな紙だけど僕の精一杯の想いをしたためてある
受け取ってくれますか
薄い紙だけど僕の精一杯の愛をしたためてある
読んでくれますか小さくて薄い紙だけど
メリークリスマス
手を繋いでもいいですかこの街をどこまでも歩き...

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メサイヤの夜に

目をつぶる冷たい空気が肌に触れる
雨の音が静かに聴こえるそれは雪になるかもしれない
あの時のように
12月の夜メサイヤが流れていた
あなたの冷たい指が私の唇に触れた
寂しげな瞳白い息が抜ける
それは一人一人になる瞬間
振り返ることなく去って行くあなたを
追いかけるように雨が白い雪に変わる
唇に残る冷...

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赤い屋根の小さな家

優し気な秋の日差しのなか暖かさを感じながらのんびりと歩いていた
市役所への長く続く花壇には色とりどりの花が咲いている
何気なく見ているとおやっと思った
木で出来た小さな15センチくらいの家のオーナメントがあった
赤い屋根ちょっとすすけた小さなカワイイ家だ
入り口の扉が開いていた私はしゃがんで中を覗い...

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くちづけ

あなたの涙に映る秋の青い空があまりに澄んでいる
さよならの言葉
その一文字一文字に思い出が舞う秋風に舞う落ち葉のように
手を握りしめると暖かいあの時のときめきがよみがえる
もう取り戻せない瞬間
今を忘れてしまったらもう手繰り寄せることは出来ないのだろうか
わたしはそっと最後のくちづけをした
あなたに...

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