Nicotto Town ニコッとタウン

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眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

雨の降る遠い町で――虚蝉に

はるかな町に 雨がしづかに降つてゐる
瓦のやうに灰色の 見知らぬ屋根たちの下
僕はひとりで 古い窓から外を眺め
おまへののこした うすい殻を手のひらに載せてゐるあの夏の日 光のなかで啼きしきつたおまへの
小さなうたは いまはどこへ行つてしまつたか
この濡れた舗石(しきいし)のうえを 流れる水のやうに...

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忘れな草の夏

青い小さなともしびが
ひっそりと 野原のすみにともる。
それは、あなたがのこしていった
わすれな草の、かなしい瞳。風はわたしたちのあいだを通り、
かすかな記憶のにおいをはこぶ。
光のなかにとけてゆく日々を、
わたしはただ、じっとみつめていた。あつい夏の日の ひるさがりに、
あなたは遠い雲の峰をゆびさ...

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真夏の陽炎 最終

あかるい雲が 青い山脈のうえに湧きあがり
林のなかの径は 木漏れ日の斑(まだら)に濡れてゐる
風はどこかで 小さなオルゴールを鳴らすやうに
乾いたひかりの葉を ひそかに揺らしてゐるのだったあすこの地平に 揺らめく水のまぼろし
それは僕が いつか置き忘れてきた日々のやうに
ひとつの歌が 熱い大気に燃え...

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真夏の陽炎

草のうえには あかるい真昼のしづけさが満ち
だれもゐない径(みち)を 光だけが歩いてゐる
風はどこかで 微睡(まどろ)む梢にわすれられ
青い空のすそを ひそかに揺らしてゐるのだったあすこに見えるのは 揺らめく水のまぼろし
ゆきすぎる季節の うすいリボンのやうに
ひとつの名前が 白く燃えつきては
かす...

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胸の奥の、苦い灰

他人に背を向け、アスファルトに孤影を這わせて歩く。
だが、一歩進むたびに、その灰が風に舞うように胸の内で暴れ、
シワの寄ったシャツの向こう側で、俺の呼吸をじわじわと熱くする。
だが、俺の足が止まることはない。
この程度の煙たさで、ヤワな生き方は、とうに捨ててきたからだ。
歩き続けることだけが、俺の唯...

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