春の雨に薄まった
桜色の花びらが愛しい
雨は降り続く
それは冷たい涙のように
雨音が静かに聞こえる
それは舞っている花びらにそっと触れる
雨音がこだまする
壊れそうな私の心に
幾重にも
幾重にも
雨はそれでも降り続く
寂しい私の心の中に
そっと
あまりに優しく
春の雨に薄まった
桜色の花びらが愛しい
雨は降り続く
それは冷たい涙のように
雨音が静かに聞こえる
それは舞っている花びらにそっと触れる
雨音がこだまする
壊れそうな私の心に
幾重にも
幾重にも
雨はそれでも降り続く
寂しい私の心の中に
そっと
あまりに優しく
桜の木が恋をしました
ある街の海の見える高台にある若い桜です
名前は桜夫
恋をされたのはすぐ隣の小さな桜子
彼には思いを伝えるすべがありません
そうだ
彼は思いを花びらに託して伝えます
散っていく花びらはいかだとなって清流を下っていきます
花いかだはそのまま海へと流れていきました
海はにこ...
木蓮の花が咲いている
その坂道の先にあなたは居た
私に微笑む事もなく
白い部屋の中で眠っていた
あなたの心は
何処へ行ってしまったのだろう
動くこともなく
静かな呼吸が聞こえていた
手を握ると
少しだけ暖かい
その温もりがあなたの
精一杯の微笑みなのだろうか
美しい花が眠っている
それは...
遠くへ
それは遠くへと逝ってしまった
冬の砂浜に居た
風は強く切るように冷たく吹き
潮の香りは懐かしい
想い出を脳裏へと運んできた
砂を右手でにぎった
無数の砂が零れ落ちる
いくつもの想いが
消えていくかのように
左手で涙をぬぐった
それは絶え間なく流れ落ちてきた
いくつもいくつも
白い...
夜の暗さが
こんなに透きとおっている
キャンドルの光が揺れている
時の神が時間を止めてくれたら
あなたの横顔を
永遠に手に入れる事が出来るかもしれない
息を止めてみた
光の波が少しだけ穏やかになった気がする
振り向くあなたの顔から
光の波紋が静かに広がる
わたしは手を伸ばし
そっと触れてみ...