風はかすかに ひるがへり
淡きくれないの 花びらは
ただ寂寥(せきれう)の なかに揺れ
ひとつの言葉も もたぬであつた私はひとりで たたずんで
ちぎれた雲の ゆくへを見る
あすの日の ひかりのなかに
私の影は 残るであらうかただ冷徹な 秋の陽が
草原のすそを 濡らすばかり
だれも訪れぬ この窓のそと...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
風はかすかに ひるがへり
淡きくれないの 花びらは
ただ寂寥(せきれう)の なかに揺れ
ひとつの言葉も もたぬであつた私はひとりで たたずんで
ちぎれた雲の ゆくへを見る
あすの日の ひかりのなかに
私の影は 残るであらうかただ冷徹な 秋の陽が
草原のすそを 濡らすばかり
だれも訪れぬ この窓のそと...
青い、あまりに青い硝子のコップに
だれが溢れるほどの秋を盛つたのか
しづかな日暮れの 微風のなかに
君はひつそりと 眼をひらいてゐるあんなに輝かしかつた夏の日々は去り
小鳥たちの歌も いまは遠い
それなのに君の つめたい花びらは
かすかな祈りのやうに 空を指してゐる哀しみが やさしい光にかはるまで
...
風が吹いてゐた、かすかな光のなかに
私たちはもう、言葉を失くして立つてゐた
とり落とした雲のきれはしのように
そらには淡い、葡萄色の影がにじみだすあんなにやさしかつた夏の日々は
どこへ行つてしまつたのだろう
誰もいないかわらの、かれ草のうえで
ひそかに鳴つてゐるのは、遠いオルゴールあやふやな夕闇の、...
あかるい窓を、夕暮がそつと閉ざしてゆく
淡いひかりのすきまに、一羽の小鳥が啼いてゐた
それはいつか、僕がどこかに失くしたものの
かすかな名前を呼ぶやうに、ふるへてゐた風のなかに、僕はただ独りで立つてゐる
忘れてきたものは、もうどこにも見つからない
かわいた草の匂ひと、あやふやな影のなかに
ただ、さび...
あかるい窓を、夕暮れがそっと閉ざしてゆく
淡いひかりのすきまに、一羽の小鳥が啼いていた
それはいつか、僕たちが失くしたものの
かすかな名前を呼ぶように、ふるえていた風のなかに、きみは静かに立っていたね
忘れてきたものは、もうどこにも見つからない
かわいた草の匂いと、あやふやな影のなかに
ただ、さびし...
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