Nicotto Town



口笛を吹く

突然の雨
0時を回っている

それは激しく窓ガラスをたたく
全てを破壊するような音で

私は口笛を吹いた
それは深夜のアクセント

雨音に消されて
誰にも聞こえない

高らかに
口笛を吹く

私だけが知っている秘密を
暴露するかのように

密かな想いを人前で
告白するかのように

恐いものは無い
今...

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夏の雪

雪が降る
夏の私に雪が降る

凍えそうな心に雪が降る
ひらひらひらと舞っている

太陽が白く燃えている
降りそそぐ光は暖かなオレンジ色

人の集う木陰が寒そう
光を求めて私はさまよう

天に両手を広げても
それは叶わない

ああ融ける事のない雪が
まだまだ降り積もっている




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旋律

緑の風の旋律に
愛を乗せてあなたはやって来る

遠くに見える灯火は
あなたの光なのだろうか

それは私の心の中に流れる
清らかな水路を下って来る

求めるものはきっと同じ
凝縮された想いに愛が浮かび上がる

私の心が融けていく
見える光が融けていく

あなたの足音が
門の前で止まるまで



ある方...

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祇園祭

 京都の夜
鴨川の土手の上
川面を見つめ

打ち上げ花火
ヒュルヒュルと天に舞い
落ちてくるは落下傘
ついでに見える空飛ぶ円盤

四条通を歩く
人、人、人
絣の着物が美しい
提灯が明るく鉾を照らしだす

新町通りに入る
夜店、芋を洗うような人
売り声に掛け声
それ以外は聞こえない
ここにも...

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朽ち果てた橋の上から

森の奥深くに流れる川

私の心はその清流と溶け合って
海へと下って行く

手で触れると雪融け水のように冷たい
とても

そして愛も砕けながら溶けていく
涙と共に

夢の亡骸も流れていく
急流の中

すぐに岩にぶち当たり
粉々に砕け散った

わたしは朽ち果てた
橋の上からそれを見ていた

想いを一つ流...

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