あやふやな光のしずくが こぼれて
だれもいない小径(こみち)を ひそかに濡らす
そこには冷たい ガラスの梢(こずえ)がしげり
かすかな風のそよぎに さざめいてゐるぼくの失くした言葉は みな
あおい葉裏のきらめきに なって
窓をひらいた あの日の記憶のやうに
いつまでも いつまでも 震へてゐる夕暮れは...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
あやふやな光のしずくが こぼれて
だれもいない小径(こみち)を ひそかに濡らす
そこには冷たい ガラスの梢(こずえ)がしげり
かすかな風のそよぎに さざめいてゐるぼくの失くした言葉は みな
あおい葉裏のきらめきに なって
窓をひらいた あの日の記憶のやうに
いつまでも いつまでも 震へてゐる夕暮れは...
やわらかな薄紫のパステル画のなかで
風は、あるかなきかに震えている。
誰も傷つけない、うつくしい嘘だけが
この小さな部屋を、そっと満たしている。ねじを巻けば、いつかきいたオルゴール。
すこし古びた、やさしい調べ。
私たちは、おたがいの偽善に微笑みながら
ガラス細工の未来を、しずかに毀(こわ)してゆく...
偽善のなかに息をひきとる街の
ひそやかな、あまりにひそやかな崩壊。
窓をひらけば、うつくしい嘘の雲が
あんなにしろく、流れてゆく。さよならを告げる小鳥たちさえ
きまった身ぶりの、きまった歌をうたい
私たちは、たがいのやさしさに甘えながら
しずかに、なにかを毀(こわ)している。(それなのに、なぜだろう...
ねえ、笑ってやってください。
私は先日、街の大きな本屋で、いま流行りの「外見至上主義(ルッキズム)を批判する」とかいう小綺麗な新書をめくってみたのです。そこには、容姿で人を判断するのは前時代的だの、ありのままの個性を愛せだの、いかにもお行儀の良い正論が、まるで仕立ておろしの制服みたいに整然と並んで...
ねえ、笑ってやってください。
私は今日、道端で倒れかかっているお婆さんを見かけて、とっさに助け起こそうとしたのです。けれどね、その瞬間に私の脳裏をよぎったのは、あのみすぼらしいスマートフォンと、青い鳥のマークの画面でした。
「これを今、誰かに写真に撮ってもらって、『今日、良いことをした』と呟けば、...
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