小説/詩 | セカンドさんの日記

始めの一歩

カテゴリ：小説/詩
2020/06/11 01:51:09

昨日までの心を埋めた深い深い穴を掘って
少し盛り上がった地面から微かな叫び声が聞こえる
気にもせず私はその上に新しい心を打ち建てる
以前より少し大きくそして堅固な作りで
またいつもの繰り返し今度の心はいつまで持ちこたえるのだろう
新しい何かを作る時過去は全て埋めてしまえばいい
その上にふんぞり返っ...

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花を咲かせる

カテゴリ：小説/詩
2020/06/02 02:47:44

わたしの淡い緑色があなたの透明な緑色と重なった輪郭の整った濃い緑がそこに現れた
こうして二人でいるときがお互いの存在がわかるとき
春に芽吹く木々の小枝の優しい緑色がわたし本来の色と思っていた
その枝を揺らす心地よい春の風があなただと知ったときのざわめき
風のあなたは微かな緑の香りがした不思議な緑色だ...

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つるバラ

カテゴリ：小説/詩
2020/05/19 22:32:30

つるバラが咲いている今日の雨の中
雨は温かく花びらを濡らしその赤は増して輝く
花は微笑んでいるのだ力強く
つるバラが咲いているその数は数百
それぞれがそれぞれに空に向かっている
あなたはこの中のどこに居るのかあなたはいったいどの空を見ているのか
つるバラが咲いている降りしきる雨の中
どこに居てもいい...

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雪そして春

カテゴリ：小説/詩
2020/05/09 00:45:17

そうだ雪が降っていたこの景色はすべてが冷たく白かった
今はどうだろう吹く風も暖かく全てが緑に萌えている
つるバラも無数の蕾を付けたもうじき赤い小さな花を咲かせる
枝に触れると棘が痛い私もバラも生きているのだ
瞬時に思い出すそうだ雪が降っていた
心の小さな感傷が冷たく白い雪に温かな涙を落とした時を
今...

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もうひとりの私

カテゴリ：小説/詩
2020/05/04 00:18:18

私があなたを好きになったのは私ではなく鏡の中の私だった
自分の部屋が背景に映り込んだ鏡の中の私がそう言ったのだ
人を信じることのない私が鏡の中の私を信じてしまった
不完全な愛はここから始まった
街の大きなショッピングウインドウに映る私と彼の映像
おしゃれな格好をして手をつないでいる
それを見た瞬間が...

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