Nicotto Town



あなたの足音

雨の音が聞こえる静けさの中に足音を立てるように
肌に冷たさを感じる9月の夜
止むことを知らない雨が無表情に闇をかたち作る
雨音がその闇を連れてわたしの部屋の中に入ってくる
拒絶という暗闇の中心が少し濡れている
冷たい雨の音が聞こえるそれはあなたの足音
聴こえるはずがない欠けてしまったあなたの足音

...

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落ちていくもの・・・

悲しみの重さに耐えきれずまた星が一つ海へと落ちた
水しぶき一つ立てず何一つ音もたてずに
それはオブラートに幾重にも包まれて青い色以外本当の姿がわからない
砂浜に私の涙が落ちた陸地から海に向かって吹く風が冷たい
私の嗚咽は波の音が消し去ったそして涙は砂浜に消えていった
私の想いはこんなにもはっきりと浮...

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フルーツと野菜と

白桃、マスカットそれがあなた
夏がよく似合うでもスイカやメロンではない
サツマイモ、男爵、カボチャそれは私
秋がよく似合うでもルッコラやセロリではない
夏は真っ盛りあなたの影はフルーツの香りがする
秋はもうすぐ私を吹き抜ける風は土の香りがする
私は力いっぱい夏を抱きあなたも秋を抱きしめる
やがて黒い...

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白い世界

気が付くと白い景色の中に私は一人いた
どこまでも続く砂の地形が光を反射している
心休まる夜はいったいいつ来るのだろう
繰り返される孤独との闘い私は決して泣かない
涙を砂が全て吸い取ってしまうから想いの痕跡が全て消え去ってしまうから
独りで歩き続ける事でしか生を確認できない私がそこにいる
灼熱の白い景...

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星明りの夜に

星が流れた涙が落ちるように
同じ景色を見ていたはずなのに同じ心で見ていたはずなのに
不確かな息づかいか聞こえる泣いているのですか
漆黒の空間に銀の粉を撒き散らしたような夜空
幾つもの星たちが僕たちを見ている
つないだ手を強く握りしめても言葉は何も生まれてこない
星がまた一つ流れた涙がまた一つ落ちるよ...

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