ドアを叩いたのは青白い布を纏ったお前だ
月が満ち始める前にユニコーンに跨り
月の谷を渡って来たという
バルコニーに置いたヒイラギを擦り抜け
月の光のように入ってきた
部屋のあちこちで、
散乱したもの、欠け落ちたもの、
古いがらくたなどがキラキラと光り始めた
金星は既に沈み
...
昔、昔ギリシャにゼウスという神がいました。
その末っ子の名前はヘルメス!
その800代目の子孫が僕ちゃん!
決して嘘八百ではありません。
自由気ままな僕は泥棒や山賊の守り神
ドアを叩いたのは青白い布を纏ったお前だ
月が満ち始める前にユニコーンに跨り
月の谷を渡って来たという
バルコニーに置いたヒイラギを擦り抜け
月の光のように入ってきた
部屋のあちこちで、
散乱したもの、欠け落ちたもの、
古いがらくたなどがキラキラと光り始めた
金星は既に沈み
...
交差点で出会った少女が急に微笑んだ
僕に向かって投げかけられたものではないが・・・
心の内から湧き上がってこぼれた微笑み
自分でも気づかないで顔から溢れてしまう
泉のような、光のような、透明なもの
笑いかける相手もいないのに一人で微笑んでいる
楽しい語らいの中で人から人へ広がる笑...
理由もなく古本屋で買い求めた詩集を
近くの喫茶店で読み終えると
本の上にうっすら埃がついているのに気付いた
それを掃おうとして表紙で指を切った本屋の棚に何年も置かれていたのだろうその汚れを気にした私の心を
静かに深く切り裂くかのように
血が滲んできたが痛くはなかった
日...
『小さな薄い辞書だけを持って、見知らぬ国に住んでみたい』 そう言い残して君は僕のもとを去って行った
それから数ヶ月が過ぎて一通の手紙が僕のもとに届いた 自分を語る言葉を捜しているとページをめくる手が透き通ってきました やがて、全身が消えてしまうと他の人には風に吹かれてページがめくれてい...
孤独というには世界は隅々まで繋がり
回線は高速で観念の中を海月のように漂う
誰かがどこかで僕と繋がっている
しかし、何が繋がっているというのだろう
昨日までの重い景色が錆び付く
他人の幸不幸を遠慮なく笑う自虐
自分勝手な猪突猛進の狂気は
リアルな世界とは一線を画し ...