しづかに 夜のしづくが おりて来た
ふるい石のアーチの その肩に
かすかな 星のひかりを あつめて
水面(みなも)は くらい鏡のやうだだれもいない この橋のほとり
ぼんやりと ともる街燈のなかに
消えさつた むかしの足音が
いまも かすかに ひびいてゐるあたたかい 夢のやうな あの日々は
どこへ い...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
しづかに 夜のしづくが おりて来た
ふるい石のアーチの その肩に
かすかな 星のひかりを あつめて
水面(みなも)は くらい鏡のやうだだれもいない この橋のほとり
ぼんやりと ともる街燈のなかに
消えさつた むかしの足音が
いまも かすかに ひびいてゐるあたたかい 夢のやうな あの日々は
どこへ い...
しとしとと降る六月の雨の音のすきまに
宿の古い柱時計が ただひとつ時を刻んでゐる
カチ、コチ、と さびしい規則正しさで
それは失はれた時間を 呼び戻すかのやうに窓の外には エメラルドグリーンの湖水面
あわいパステル画の色彩が 静かににじみ
雲のきれまから ひそやかに架かる七色の虹
そのはかない美しさ...
かすむ六月の雨は パステル画のやうに
ひっそりとした湖畔の宿を あわく包み
窓辺に寄せるさざ波は 古いオルガンのやうに
しづかなしづかな律動(リズム)を くりかへしてゐるふと雲がひらけて 鏡のやうな水面のうへに
やはらかな七色の虹が 夢のやうに架かるとき
ひとつの孤影が 濡れた葦のしげみを縫って
ゆ...
かすかな雨の糸が 六月の窓をつつむとき
森の奥からは かすかな音楽が聞こえてくる
それは濡れた青葉をわたる 風のひびきか
古びたオルガンの やさしいつぶやきか
見あげれば 雲のきれまにひそやかに
淡い七色の虹が 夢のやうにひろがって
かなしい記憶のやうに すぐに消えさらうとする
ひとしきり こころを...
ひとしきりなみだのやうな雨のあとの森は
青葉のしたたるところ みづいろの風がわたる
濡れた草の葉のうへに ひそかにならべられた
あかるい七色のゆびさきが 天にむすばれてゆく
森の木立は大きなオルガンのやうに
しづかなしづかな呼吸(いき)をあはせて
ふかく ふかく ねむりからさめるやうに
ひびきをなげ...