事情を聞くと、不幸の手紙がみんなの机の中に入っていたのだという。
姉の机にももれることなくその手紙は入っており、文面には子供のつたない字で「これは不幸の手紙です。これを読んで三日以内にこれと同じないようの手紙を十人に出さないと、あなたは一しゅう間いないに死にます。東京に住む野田ともみさんがこの...
愛と平和を
事情を聞くと、不幸の手紙がみんなの机の中に入っていたのだという。
姉の机にももれることなくその手紙は入っており、文面には子供のつたない字で「これは不幸の手紙です。これを読んで三日以内にこれと同じないようの手紙を十人に出さないと、あなたは一しゅう間いないに死にます。東京に住む野田ともみさんがこの...
マルティンはボーッとお金を見つめていた。
それから首を振った。
「いいえ、ダメです、先生」
道理さんは紙幣をマルティンの上着のポケットに押しこんだ。
「おとなしく言うことを聞くんだ、わからず屋め」
「でも、ぼく、五マルクもっています」とマルティンが小声で言った。
...
「ああそういえば、長谷川さんも、生物の班決めの時に取り残されてたもんな。」
“取り残されてた”という響きが胸にぐんと迫ってきて、慌てた。
友達とかに無頓着で、というかオリチャン以外の現実に無頓着だから、絶望的な言葉をさらっと口にすることができるんだ。
「そうじゃなくて、なんていうの...