Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



硝子の要塞

都市(からだ)の防衛網は、すでにガタがきている。
エントランスの監視員(はっけっきゅう)は、かつての半分も残っちゃいない。
あとの連中は、昨日までの激務に嫌気がさして
予告もなしにどこかの闇へ消えちまった。赤い川の流れは相変わらずだが、
街を守る警備車両のサイレンは、もうどこからも聞こえない。
かつ...

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硝子の夜

よるのとばりがおりるとき
街は安物のタキシードを羽織る
ネオンの飛沫がアスファルトを叩き
誰かのついた嘘が、水溜まりに溶けていくバーボンの琥珀色は、裏切りの味がした
カウンターの隅、使い古された孤独を
灰皿に押しつけて、俺はただ煙を吐き出す
煙(スモーク)の向こう側、かつての面影が揺れた追う者と、追...

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影の輪郭

よるのとばりがおりるとき
世界はモノクロームの嘘をつき始める
街灯の淡い光が、剥がれかけた魂を照らし
俺は使い古したライターの火で、現実を炙り出す拳(こぶし)を固める必要はない
ただ、沈黙の重みに耐えられればいい
路地裏に捨てられた約束が、風に転がり
誰にも届かない叫びが、路面(ロード)に染み込んで...

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標なき航路

北風が街の汚れを浚(さら)っていく
代わりに運んできたのは 塩の香りと
どこか遠くで鳴り響く 重い霧笛の残響だ視界を奪うほどの深い白
一歩先が崖か あるいは地獄か
そんなことは この波止場じゃ誰も気にしちゃいない「生きてる」なんて実感は
吐き出した煙草の煙が 風に散るその瞬間にしかない
手の中に残っ...

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幕引きのルール

吸い殻が、水たまりに落ちて音もなく消えた。
それが、この長い夜の終演(フィナーレ)を告げる合図だった。壁の向こう側から、微かに聞こえる街の鼓動。
世界はまだ続こうとしているらしいが、
俺の物語は、この三尺の行き止まりで綺麗に句読点を打った。無理にこじ開ける扉もなければ、
飛び越えられるほど、この壁は...

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