Nicotto Town ニコッとタウン

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似非の正義

雨の舗道に、安い正義が溢れている。
奴らは高い演台に立ち、抜き身の言葉を振りかぶる。
その切っ先が、誰の血を求めるのかも知らずに。「正解」という名の、錆びついたドス。
それを大上段に構え、振り下ろす。
返り血を浴びぬよう、安全な画面の裏側で。俺はバーボンを口に含み、
その茶番を、ただの雑音として飲み...

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孤狼のポートレート4

錆びついたトタン屋根を、雨粒が執拗に叩いている。
無人の待合室。電球は寿命を迎え、死に際のような瞬きを繰り返していた。ベンチの端に腰を下ろすと、古い木のきしむ音が静寂を切り裂く。
ここは、どこへも行かない人間が、どこからも逃げてきた人間とすれ違う場所。
時刻表は色あせ、約束された「未来」など、最初か...

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孤狼のポートレート3

薄汚れた雑居ビルの陰で、胃の奥から酸っぱいものがせり上がる。
路地にぶちまけたのは、さっきまで耳に流し込まれていた「救い」という名の汚物だ。奴らは白い服を着て、死んだ魚のような目で、
「愛」や「慈悲」という手垢のついた言葉を呪文のように唱える。
個を殺し、意思を捨て、巨大な一つの意志(マス)に飲み込...

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孤狼のポートレート2

安い琥珀色の液体が、安物のグラスで震えている。
隣のテーブルでは、名前も知らぬ連中が「仲間」という幻想に酔いしれ、
空疎な笑い声を夜の底にぶちまけていた。群れなければ歩けない足腰なら、いっそ折ってしまえばいい。
肩を組み、傷を舐め合い、何者かになったつもりでいる。
その実、個(おの)れの形さえ見失っ...

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灰色の行進

頭上のスクリーンが「幸福」を垂れ流し
雑踏は、巨大な一つの生き物として脈動する
右へ倣えの信号に
数千の靴底が、乾いた音で同調する奴らは「和」という名の麻酔を打ち
自分の顔を、誰かの背中に預けて歩く
同じ呼吸、同じ絶望
均質化された細胞のひとつとして俺は、その流れを逆行する
肩がぶつかれば、無機質な...

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