薄紅色の 夕映えがひそかに褪せてゆく
荒涼とした高原の そのうす青い陰(かげ)のなか
わたしはひとり ちひさなネジをまはしてゐる……
風にちぎれる 硝子(がらす)のやうな音色のために(おまへは 淡いパステル画のやうだ
こすればすぐに 消えてしまふほどのはかなさで)遠い地...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
薄紅色の 夕映えがひそかに褪せてゆく
荒涼とした高原の そのうす青い陰(かげ)のなか
わたしはひとり ちひさなネジをまはしてゐる……
風にちぎれる 硝子(がらす)のやうな音色のために(おまへは 淡いパステル画のやうだ
こすればすぐに 消えてしまふほどのはかなさで)遠い地...
うす紫の 野紺菊(のこんぎく)のささやきが
枯れゆく草のなかに ひそかにあふれ
わたしはひとり 夕映えのなかに立つ
もう戻らない あのなつかしい季節のために(おまへは 風にゆれる我吾(われもこう)よ
紅い涙を そつと大地にこぼしながら)ちひさな竜胆(りんどう)の 青い鐘の音(ね)が
冷たい霧のなか...
凍てつく夜の つめたい月影が
桔梗の枯れた窓辺を 白く濡らし
わたしはひとり 古びた椅子のうえ
もう戻らない あのあたたかな夢のために(おまへは 天にまたたく星屑よ
青いまたたきを 夜のしじまに凍らせながら)ねぢを巻きなおした ちひさなオルゴールが
かすかな音色を 優しくこぼし
かつてここにあつた...
うす紫の 桔梗のしづかなつぼみが
ひそやかにひらいて 秋の夜を告げる
わたしはひとり 古びた窓辺に寄りかかり
もう戻らない あのあたたかな記憶のために(おまへは 風にふるへる秋草よ
青いまたたきを 夜のしじまに灯しながら)ねぢを巻きなおした ちひさなオルゴールが
硝子(がらす)のやうな音色を 優し...
やはらかい ひとしきりのはじまりに
それはどこからか吹いてくる……
しづかな木の葉のまばたきのやうに
おまへの指先をかすめてゆくもの(おまへは 西風よ
みんな どこへいつてしまつただらう)とほい空のしじまから
いくつもの星の光が つめたくこぼれ
ふるへる窓を打つはしらも...
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