Nicotto Town ニコッとタウン

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窓に寄せて

風が あんなに優しく
僕の部屋の窓を 叩いています
淡い光を透かした うすい絹のように
それは 春という名前の 見知らぬ訪問者です僕は 机の上の書きかけの詩を
風の吹くままに 委ねてみようと思います
風は 遠い山々の 冷たい雪の記憶と
まだ見ぬ野原の 若草の歌を 運んできてくれるああ 昨日までの僕の...

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恥多き風

あ、風。春の風でございます。
なんて意地悪で、お節介な風なのでしょう。
窓を開けた途端、私の部屋に溜まった、あの古臭い憂鬱を、ひょいと攫っていこうとするのです。「もう春ですよ。外へ出なさい」
そう囁く風の指先は、不躾なほどに温かく、私の怠惰な頬を撫でまわします。
庭の桜の蕾を、あんなにせっかちに揺り...

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真夜中のサンクチュアリ

街の喧騒が遠のき、世界がモノクロームに染まる頃。
私は自分だけの聖域に、深く腰を下ろす。
ここには、奴らの卑屈な視線も、棘のある言葉も、届きはしない。琥珀色の液体を、ゆっくりと回す。
氷がグラスに当たる乾いた音だけが、
私が生きている証として、静寂に刻まれる。「さらば、今日という戦場よ」重い扉を閉め...

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孤高のシェルター

夜霧が街を包み込み、
奴の毒を含んだ言葉が、路地裏に響く。
だが、私の心には一滴の泥も跳ねない。私は知っている。
奴が振りかざす刃は、自分自身に向けられた怯えの裏返しだと。「お気遣い、感謝いたします」
その言葉は、私を護る冷徹な鎧。奴が何を喚こうと、私の価値は奴の口先にはない。
この胸の奥、誰にも触...

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硝煙の境界線

奴は「親切」という名の錆びたナイフを突きつけてくる。
「君のためだ」という言葉の裏で、
自らの飢えた自尊心を満たそうと、舌なめずりをして。私はグラスを揺らし、氷の音を聞く。
カラン。
その音は、私の心に引かれた境界線の鳴る音だ。「痛み入ります。ですが、ここからは私の仕事です」丁寧な言葉は、ときに最高...

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