Nicotto Town ニコッとタウン

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錆びた午前三時

バーボンの残りが、喉を焼く。
氷が溶ける音は、昨日の言い訳に似ていた。
鏡の中の男は、
「次はうまくやる」と寝言を吐く。
嘘だ。
俺はただ、夜の帳が降りるのを待っている。
銃も、愛も、
乾いた口笛ひとつで片付くさ。
ここはまだ、誰も知らない終着駅。
嘘つきの煙草と、裏切りの雨。
誰も信じちゃいないさ...

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散り際の沈黙

風が吹けば、世界は白く塗りつぶされる。
美しすぎて反吐が出るほど、残酷な色の雪だ。
桜の下、酒の抜けたコップに花びらが一枚
無粋な闖入者のように、音もなく滑り込んだ。「来年も、また見られるかな」
そう呟いた声は、風にさらわれて誰の耳にも届かない。
約束なんてものは、春の陽炎と同じだ。
握りしめた拳を...

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泥のついた秒針

雨が降っている。
世界を洗い流すほどではなく、ただ靴の底を汚すだけの雨だ。
喫茶店の隅、冷めきったコーヒーの表面に
天井のシミが、歪んだ月のように映っている。「いつかは、終わるのね」
向かいの席で、女が折りたたみの傘を見つめていた。
その指先がわずかに震えているのを、俺は見ないふりをする。
なぐさめ...

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悲しみの十字路Ⅱ

深夜二時、アスファルトを叩く雨は
古い傷口を抉るような冷たさだ。錆びついた街灯が照らし出す十字路。
右へ行けば、安っぽい感傷とぬるい酒。
左へ行けば、昨日の自分を撃ち抜くための銃弾。俺はコートの襟を立て、
ポケットの中で冷えたライターを弄ぶ。
火を点けても、この心の震えまでは燃やせやしない。信号はい...

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悲しみの十字路

午前二時、街が息を潜める頃。
信号機は黄色い点滅を繰り返し、
まるで俺の未来みたいに、
どちらへ進んでも行き止まりを告げている。濡れたアスファルトに、
街灯の光が鈍く反射している。
トレンチコートの襟を立てて、
冷たい夜風をやり過ごす。
かつて分かち合った温もりさえ、
この街の霧の中に消えていった。...

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