ふと自分の欠点に気づくたびに
そのへこんだところに
何かを詰め込まなくてはと
焦るものだ
学生の頃には、いやついさっきも
埋められそうもないへこみを気にして
ちょっと落ち込んだ
しかし どこかへこんでいるというのではなく
全部が空洞の生物がいる
二匹の海老がやってきて
そ...
昔、昔ギリシャにゼウスという神がいました。
その末っ子の名前はヘルメス!
その800代目の子孫が僕ちゃん!
決して嘘八百ではありません。
自由気ままな僕は泥棒や山賊の守り神
ふと自分の欠点に気づくたびに
そのへこんだところに
何かを詰め込まなくてはと
焦るものだ
学生の頃には、いやついさっきも
埋められそうもないへこみを気にして
ちょっと落ち込んだ
しかし どこかへこんでいるというのではなく
全部が空洞の生物がいる
二匹の海老がやってきて
そ...
みごとな壷が献上された。 この世のものとも思えぬ妖しい美しさに臣下の者どもが息を飲む中 若き皇帝は言った
『いつかこの宝も壊れる時がこよう その時、不注意で壊した者の命が失われぬよう 今余の目の前で打ち壊すがよい』 財宝よりも人の命が大事だと
壷を壊させた若き賢帝も
後にたくさんの家...
机の引き出しを力強く引いたら抜けてしまい四角い空洞が笑いかけてきた元あったものを戻すのは芸がない
同じような形をした別の何かを入れてみたい
そんな思いにとらわれた昨夜の夢を四角く切り取ってするすると入れてみた
昨日はあんなに輝いていたと思ったのにセピア色に色褪せてもう入らない
もう少し削ら...
寝返りを打つたびに 私の夢は 名も知らぬアフリカの楽器のように カランコランと不思議な音を立てる 子供のころはもっと軽やかな響きを 立てたような気がする 年を取るにつれて どこかあいた穴から転がり出てしまったらしい ある日、耳を済ませるとかすか...
夢は咲き終わったが
少しだけ高く聳えていた
自分を凌駕するものと闘うためにではなく
目に入る世界を見守るために
僅かに高い背丈を与えられたからだ
虫たちが地面を覆って鳴いても
やがて静寂が訪れる
虫の音の絶えた日を誰も憶えてはいないが
僅かに高い背丈を与えられたものだけが
...
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