Nicotto Town



自作小説倶楽部2月投稿

『合わせ鏡』
貴男に、話しておかなくてはならないことがあるの。と彼女は突然言った。彼女の用意した夕食に満足し、彼女の美しい容姿と動きに魅了されてテーブルを離れがたくなっていた時だった。僕はテーブルに肘を立て、美しい曲線を描くあごの下で彼女の両手が合わさり、指が交差するのに見とれていたから、一瞬戸惑っ...

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自作小説倶楽部1月投稿

『問題作』
「おい、あんたがビショップだな」棘のある声で私の作業は中断された。手を止めるとゴーグルと耐火服ごしでも炉の炎が眩しく、一層熱く感じられた。後始末とはいえ最も地味で苦手な過程だ。さっさと闖入者を追いだして仕事を終わらせるべく振り返る。神経質そうな痩せた男が立っていた。炎を反射して光る眼鏡の...

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