「いとし、かなし、いとはかなし」
- カテゴリ: 自作小説
- 2024/04/30 00:07:03
「離さない」 知らなかった。この人が途方もない激情を体の内に飼っていたなんて。自分を抱き締める腕の強さにそれを知る。「……うん」 肩越しに藤の花房が青く揺れてにじむ。甘く薫る風に、伝えたい言の葉はさらわれてしまった。だから、耳許で囁かれた求めてやまなかった五文字ごと、目の...
日日是悪日
「離さない」 知らなかった。この人が途方もない激情を体の内に飼っていたなんて。自分を抱き締める腕の強さにそれを知る。「……うん」 肩越しに藤の花房が青く揺れてにじむ。甘く薫る風に、伝えたい言の葉はさらわれてしまった。だから、耳許で囁かれた求めてやまなかった五文字ごと、目の...
ここ暫く介護をしていたおばあちゃん猫が死んだので、業者に火葬に来てもらいました。
体が無くなるというのは、かなりの痛みです。死んでから焼くまでの数日、ことあるごとに棺の中の彼女の名前を呼んだり撫でたり挨拶をしたりしてましたが、それができなくなって漸く「ああいないんだなあ」と実感します。体があるだけ...
私はまったく覚えてないんですが、の思い出を一つ。
小学生の頃、母が新幹線の手配までして私達姉妹二人を上野動物園に連れてってくれました。目的はそう、もちろんパンダです。
長い行列に並んで、笹食ってるパンダを見ました(ここまでは覚えている)。生まれて初めてパンダを見た私は、開口一番こう言ったそうです。...
服ならフリマで何とかなりそうながら目玉はとても手に入れられる気がせず、キラキラで交換したチケット一枚に賭けることにしました。
出た。
翠玉と琥珀どっちでもいいけど、それでもあえて言うなら最近メイリリーをゲットしたので手元に無い色味の緑の方がいいかな~と思ったらそっちの希望も通ったようです。さくっと欲...
宮沢賢治「土神ときつね」賢治らしからぬ作風ですが、凄まじいというか……。とにかく筆舌尽くしがたい感情になります。
「星の銀貨」分かりやすい素直な話で、頭の中で描く光景の美しさに心惹かれます。
アンデルセン「絵のない絵本」諸々の童話よりこちらの方が好きでした。ところでこの...