「姉さんな、あんたにはあげる形見がなにもないから、自分が持ってる目に見えないもの、たとえば学力とか、健康とか、知識とか、ちっとはあるかもしれない才能とか、そんなものをそっくりあんたに譲っていきたいと思ったの。それにはどうすればいいかと考えているうちに、いいことを思いついた。どんなことかというとな、あ...
愛と平和を
「姉さんな、あんたにはあげる形見がなにもないから、自分が持ってる目に見えないもの、たとえば学力とか、健康とか、知識とか、ちっとはあるかもしれない才能とか、そんなものをそっくりあんたに譲っていきたいと思ったの。それにはどうすればいいかと考えているうちに、いいことを思いついた。どんなことかというとな、あ...
少女は顔を引きつらせ、涙で喉を詰まらせながら、あえぐように言った。
「これでもまだ充分ではないと言うの? あなたは永遠に私をさいなむことをやめられないの?」
不意に私はこのうえない恥辱感に包まれた。
「すまない……」
過去の言葉と行為のすべてを消してしまえたら……。
私...
東京の本社から、社長が来社しました。
事務所内で、所長と私を含む各所員の席を廻り、コミュニケーションを図っておられました。
社長はマスクをしていませんでした。
仕入先から、販促セールの景品として、全国ご当地ラーメンの詰め合せをいただきました。
所員全員に配れる数量が無かったので、所長があみだくじを作りました。
私は勝浦タンタンメンが当たりました。
所長はハズレでした。
新入社員が、帯状疱疹で約1週間休むことになりました。