三番目の信号の角にある花屋を、私は勝手にユメノの店と呼んでいる。ちゃんとしたお店の名前があるのに、いまだに覚えていない。こじんまりとしているが、店も花も色とりどりで賑やかだ。花を贈る人の気持ちや用途に合わせ、ぴったりの花言葉を持つ花や、なかなか手に入らない花。また、特別な贈り物の時用に飾り方が実に上...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
三番目の信号の角にある花屋を、私は勝手にユメノの店と呼んでいる。ちゃんとしたお店の名前があるのに、いまだに覚えていない。こじんまりとしているが、店も花も色とりどりで賑やかだ。花を贈る人の気持ちや用途に合わせ、ぴったりの花言葉を持つ花や、なかなか手に入らない花。また、特別な贈り物の時用に飾り方が実に上...
何度も何度も言い続けることが、大事だと分かったから。同じことを何度もいろんな言い方で、伝え続けることがいちばん、大事だと分かったから。
私はもうどのことも、心配はしない。
金曜日の真夜中、暇を持て余していたあの頃。悪友のひとりがインラインスケートを持ってやってきた。それと、1970年代前半に流行っていたローラーゲームの映像。当時私たちはスキーからボードに変わり、シーズンオフにはインラインスケートで遊んでいた。当時のその映像は中々面白いものだが、これはできないから何か考...
大きな空が見たくなると、ここへ来る。あいにくの雨だ、街並みはモノクロームに見える。空をじっと見上げる、街並みを見下ろす。遠くにあると思っていたものが、意外と近くにあることがわかる。高速道路がビルの間を走っている、大型トラックの渋滞が見える。ぽっりぽっりと雨がガラスをたたく、大きな黒い雲が流れていく。...
それが生きていくことと同じと分かったのは、一緒に暮らした二年間。それまでの暮らしは、なんだかとてもぼやけていた。地に足がついてなかった、暮らしのまん中に自分はいなかった。なんとなく時間が過ぎていった、洗濯は洗濯機がやってくれるものだった。洗濯終了を知らせるブザーがなる。夏が過ぎたある日、私たちにも生...