Nicotto Town


ごま塩ニシン


夜霧の巷(19)

 次の瞬間、木崎の表情が一変した。
「どうしても、解明したいというのであれば、漢籍に造詣の深い先生を知っているから、なんだったら、頼んでやってもいいよ。うちの親父がやっている開珍堂に出入りしている人だから、信頼のおける先生だ。ただね、ロハということにはいかないからな。君の方で予算があるかどうかだよ。...

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夜霧の巷(18)

 上林は、ふと浮かんだ閃きに突き動かされて、階下のリビングへ降りて行った。無職のフリーター木崎龍平がいた。木崎の家は骨董品を扱う古道具商で、屋号は開珍堂といった。明治時代から続いていると木崎は誇らしげに言っていたが、真偽は定かではない。ただ、古い書画を扱うのであれば、中国の古い書物なんかを読み解く知...

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脳活日誌1082号

   久しぶりの雨となった。
 午後からという予報だったが、午前11時頃から降り出した。こんなに早く降ってくるとは多くの人が思っていなかったのだろう。湿疹の塗り薬が無くなったので、散歩の途中にある掛かりつけの皮膚科に出掛けると、傘を持たない人が駆け足で何人も通り過ぎていく。近くの女子大の学生のようだ...

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夜霧の巷(17)

 契約社員の上林良平が休暇を取れたのは8日後であった。交替勤務者の家に不幸ごとがあって、休暇日がずれた。彼は独身でシェアハウスに住んでいた。男が三人、女が三人の構成になっていた。家に風呂はなかったが、男女別々のシャワールームとトイレがあった。電子レンジと冷凍冷蔵庫があるキッチンとリビングは共有で居住...

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脳活日誌1081号

   今日もバタバタ。
 ここ2~3日、落ち着かない。じっくり考える暇がない。午前中に天気が良かったので冬用の布団を干した。ベランダに出て、アルミ製の枠を雑巾で拭いて、布団を干すのだが、鳥にフンをかけられた苦い経験があるので、干した布団に黒の布を被せるのである。最近、栄養が増すという情報から、玉ねぎ...

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