おすがり地蔵尊秘話(29)
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/03/14 13:15:30
硝子戸に人の影が映ったので、私は必死の覚悟で思い切って硝子戸を開けた。 庭に蹲るように人が座っていた。「まさか、お地蔵さんではないよね。それとも、あんた、泥棒かよ。ここには金目のものは何もないから。」 私は庭に向けて仁王立ちになった。「いやー。申し訳ない。起こしてしまいましたか。重ねて、もうしわけ...
硝子戸に人の影が映ったので、私は必死の覚悟で思い切って硝子戸を開けた。 庭に蹲るように人が座っていた。「まさか、お地蔵さんではないよね。それとも、あんた、泥棒かよ。ここには金目のものは何もないから。」 私は庭に向けて仁王立ちになった。「いやー。申し訳ない。起こしてしまいましたか。重ねて、もうしわけ...
昨夜は飲み過ぎた。夜中にトイレに行くこともなかったが、念仏を唱える声で私は目覚めた。一瞬、お寺の本堂で寝ているような錯覚を覚えたくらいだ。
「おん かかかび さんまえい そわか。・・・おん あびらうんけん ばざら だとばん。」
真言を唱える声が耳元から顔全体を覆ってくるようであった。何だろうとい...
正直うれしくない。
今年に入って、サボテンで一位になったことがあるからだ。いかに、サボテンをみんな、育てていないのか。この証明である。サボテン君、寂しいね。育ててくれる人が少ないとは?なんだね、王冠サボテンなんだよ。どうしてなんだ。みなさん、サボテンをもっとかわいがってください。ああ、涙が出...
職業の選択と人生
この社会で生きていくには、何らかの仕事つまり職業を選択しなければならない。どの職業につくか。これを選択するのは自由である。しかし、自由な割には手軽に確保できるものではない。議員になるには選挙という試練がある。比例代表という方法もあるが、これは特定の政党に対する得票数で決まっ...
これが民衆の力なのだろう。法会が始まる前には地蔵尊の周囲は色とりどりの花で飾られ、用意されたお供え物の大きな台に饅頭やらスナップ菓子、よもぎ餅、チョコレート、それにお餅などが山盛りに供えられ、お酒の一升瓶が三本も並べられていたのには驚くばかりであった。それだけではない。地蔵像の発見ということで注目...
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