新怪アウトプッター(17)
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/01/26 13:07:44
福村は初めて東条由梨花の部屋に入った。直感的な感想は奇麗に整っているということであった。細かい計算を得意とする性格からくるのか、棚の置物にしても、壁のカレンダーや装飾品にいたるまで、縦横がキッチリ並び、見て、美しかった。
業者はアンテナを持って、微弱な電波が出ていないか、確認しながら天井、部屋の...
福村は初めて東条由梨花の部屋に入った。直感的な感想は奇麗に整っているということであった。細かい計算を得意とする性格からくるのか、棚の置物にしても、壁のカレンダーや装飾品にいたるまで、縦横がキッチリ並び、見て、美しかった。
業者はアンテナを持って、微弱な電波が出ていないか、確認しながら天井、部屋の...
頭の中に課題を抱えていると3日間くらいは、あっという間に経過した。湯之原の提案を忘れかけていたいた時に充電をすませたスマホから入江美佐子が新藤マリの新曲といっていたメロディーが再び流れ出たのである。さすがに、今度ばかりはスマホを買い替えた方がいいかもしれないと、由梨花は真剣に考えるようになった。こ...
「問題の発生源は、経理課のプリンターからの出力にある。自社の文書であれば、問題はなかったが、M社の取締役会の議事録が出てきた。実際に起こり得ないネットのトラブルになってしまった。高度な情報社会にあって、システムの違う会社のデータが日常業務の中で混線して、晒しものになったら、ネット社会が崩壊してしまう...
「ご心配ご無用ですよ。ちゃんと、補償させていただきます。あなたのお気に入りの新品のスマホをご購入いただき、代金は、私がお支払いいたします。スマホの異常現象を解明するための、あくまでも科学的な研究のためなのです。ご協力お願いできませんでしょうか。」 湯之原は姿勢を正して、こう力説するとテーブルに運ばれ...
「失礼ですが、お風呂に入りながら、スマホを使うことはないですか?」 落ち着いた顔で湯之原は、いきなり入浴を話題にした。この質問に由梨花は一瞬、頬を赤らめてしまった。自分の裸を見透かされた思いになったからだ。由梨花にしてみれば、もう笑って答えるしかなかった。「ええ、たまに、ありますわよ。でも、湯船に落...
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