美しいグリフドューリュの娘たちは、
満月の夜に出かけるんだ。
巻き髪をふっくらとさせて広場の真ん中で、
一列に並んで背筋をまっすぐ伸ばして座っている。
目を空に向けて、
娘たちは待っている。
胸をドキドキさせながら、
帽子がひとつとまってくれるのを。
その帽子が巻き髪の上に、
たまごを産んでくれるの...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
美しいグリフドューリュの娘たちは、
満月の夜に出かけるんだ。
巻き髪をふっくらとさせて広場の真ん中で、
一列に並んで背筋をまっすぐ伸ばして座っている。
目を空に向けて、
娘たちは待っている。
胸をドキドキさせながら、
帽子がひとつとまってくれるのを。
その帽子が巻き髪の上に、
たまごを産んでくれるの...
その洋菓子店に並ぶスイーツは一品のみ、
その日のためだけに作られる。
そして気まぐれなお店であり、
開店する日もまちまちであるが。
どうしてもその店の菓子を食べたい常連客達は、
雨が降ろうが槍が降ろうが毎日並んでる。
ついに今日カーテンが開いている、
菓子を制作している時は開いているのだ。
開店一時...
「新しい」という言葉は非常に大切だ。
足が速い、力が強い、
という能力と同じように、
新しいものを感じる能力が誰にでもある。
私の引き出しの中には、
捨てられないものがたくさん入っている。
川で拾った奇妙な形の石ころ。
おばあちゃんの家の蔵の錆びた鍵。
海岸で拾った丸くなったガラス。
おじいちゃんの家の裏山で拾った葉っぱ。
友達にもらったお土産の外国製のジャムの瓶。
物語を書いてホチキスでとめたノート。
自分の家の物置から...