Story / 11
「え?」
その言葉を信じるか信じまいか、僕は真剣に悩んだ。理解できない。何を言われているのかわからない。そもそもこれは現実なのか夢なのか区別できないしたくない。
どうしていいかわからない。
「……そう、ですか」
上の空で受話器の...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
Story / 11
「え?」
その言葉を信じるか信じまいか、僕は真剣に悩んだ。理解できない。何を言われているのかわからない。そもそもこれは現実なのか夢なのか区別できないしたくない。
どうしていいかわからない。
「……そう、ですか」
上の空で受話器の...
Story / 10
思わず隣の由貴を見た。さもありなんとでも言うように、由貴は平然と告げ微動だにしない。私は戸惑ったまま、でも何も言えなくて顔を逸らす。胸の辺りがもやもやして、やりきれないような痛いような、変な感じ。大体、急にそんなこと言われても良くわからない。可愛いってなんだよ馬鹿。...
Story / 9
乾の涙を見て解ったことがある。――乾も、普通の女の子だ。
じゃあ、僕は?
「……」「…………、」
3人掛けの椅子をそれぞれの荷物で埋めて二人で占領した。荷物を両脇に置いて隣同士で座って...
Story / 8
推理小説とホラー小説、どちらにしようか悩んで結局どちらも買わなかった。付いてきた乾は、珍しくライトノベルじゃなくて文庫本を買っていたけど僕の知ったことじゃなかった。付き合わせた僕が付き合ったみたいになってるのはいつものことで。
何も言わず、先に行った僕の背中を追って、乾は...
Story - 1 /7
自分の無力さを知っていたわけじゃない。全てをわかった気になんてなれるはずもなくて、結局中学生みたいな自分の居場所を求めたがる思考を完全には卒業できてないんだって思い知らされる。此処にいて良いんだと言って欲しい。自分は必要だと言って欲しい。一緒に居て楽しいと言って欲...