分かっているだろ、俺は偽りの最強だ。いや、最強という言葉を使うことさえおこがましい。偽りの王者よ、お前に最強を継ぐのは無理だ。幻影は極小さな声で、だが確かに聞こえる声でバタフライに囁いた。
囁きは徐々に大きくなる。
『お前には無理だ。お前は必ず最強という重圧に負ける。その重圧に負ける』
「何...
もう一度…
分かっているだろ、俺は偽りの最強だ。いや、最強という言葉を使うことさえおこがましい。偽りの王者よ、お前に最強を継ぐのは無理だ。幻影は極小さな声で、だが確かに聞こえる声でバタフライに囁いた。
囁きは徐々に大きくなる。
『お前には無理だ。お前は必ず最強という重圧に負ける。その重圧に負ける』
「何...
「あの3人の精神が崩壊した原因がウルフの呪いだとは思えないが、君の言った通り俺の怒りと言うのはあったかもしれないな」
ミカミはこれまでのような険しい顔を崩し、素直な顔で話す。
「だが、俺の怒りがあったとしても彼ら3人の精神を崩壊させることなどできる訳がない。それに俺は彼ら3人とバタフライが...
今回の光もシンにはまったく見えていない様子、追い抜かれた感覚もないようだ。シンのずっと前を走っていたバタフライは、再びその光の気配を感じた。そして考える。
『さっきと同じ気配?』
さっきと同じEMでないはずだ。逆送するか高速を降りてまた戻ってこなければ、後ろから来るなどあり得ない。それにこの短...
バタフライは追い抜いた光との差を徐々に詰める、そして暗闇からその実体がぼんやりと形付いきた。見覚えのある車体、そしてその色…
ゴールド。
誰1人として同じ色がないはずのゴールド。それが暗闇から形成されるようにバタフライの目の前に現れた。そして、かつて見た生気のあるウルフが乗っ...