バタフライの意志をシンは強引に何処かへ捨てようとする。
「そうだ、姿が見えない相手に、どうやって対戦を申し込むんだ?仁王の奴等に聞いたが知らないの一点張り。姿が見えないウルフをどうやって見つけるんだ?」
どうやってウルフと対戦したらいいんだ?ウルフから接触してきたのか、それともみんなが偶然に見...
もう一度…
バタフライの意志をシンは強引に何処かへ捨てようとする。
「そうだ、姿が見えない相手に、どうやって対戦を申し込むんだ?仁王の奴等に聞いたが知らないの一点張り。姿が見えないウルフをどうやって見つけるんだ?」
どうやってウルフと対戦したらいいんだ?ウルフから接触してきたのか、それともみんなが偶然に見...
「面会謝絶か…」
夜の帳がとっくに降りている。チームの皆は面会謝絶と言う言葉を聞き、誰も声を出せずにおり、こう考えていた。サウス、イースト、ノース地区のトップが軒並みやられたのに、その事実が広まるのに時間がかかっている。本来なら、真っ先に知っていなければならない立場でもあるバタフ...
「……仁王が入院した?」
サウス地区のトップを張っていた仁王が誰かとレースをして入院したと聞いて、普段ならこの報告は別段おかしい事では無い。地区のトップだからと言って危険と隣り合わせなのは誰もが同じ。バイクが転倒して病院に行くことは、多々ある事だ。
まあ、仁王ほどの...
ここはウエスト地区、深夜の高速パーキングエリア。政府の道路再編によりこの高速道路は使用しなくなり管理も放置されていた。自然とパーキングエリアは廃墟になる。
そして、ここをウエスト地区の一つのチームが巣として使用していた。
そこにはコードネームバタフライと言うリーダーを頭に10人ほどが...
ウルフの走りを喩えるなら、寸分も狂い無い時計のよう。
何事も無く一周する秒針のように彼はゴールへと帰ってきた。その姿に泥臭さは微塵も感じない。
ウルフは自分の走りをこのように言っていた。
「もしかしたら、俺の走りは退屈な走りなのかも知れない。面白みの無い走りなのかもしれない。それでも何故か前...